セカンドチャンスポイントで19-0とインサイドを支配
宇都宮ブレックスがホームに信州ブレイブウォリアーズを迎えた一戦。高さの利を生かし、強固なディフェンスで信州のフィールドゴール成功率を32.7%に抑えた宇都宮が74-52と貫禄勝ちを収めた。
信州は前節の秋田ノーザンハピネッツ戦で左手の小指を脱臼した小野龍猛が出場できず、また、昨日合流したばかりのヤン・ジェミンもベンチエントリーできずに、インサイドの不利を抱えていた。こうした状況で宇都宮はジョシュ・スコットやライアン・ロシターがインサイドで起点となり、ダブルチームを受けても素早いパス回しからオフェンス優位な状況を作り出した。
スコットがオフェンスリバウンドをセカンドチャンスポイントに繋げ、トランジションも機能したチームは第1クォーターで2桁リードを奪った。第1クォーター終盤には新外国籍選手のLJ・ピークがデビューを飾る。定評のあるディフェンスで会場を沸かしたピークは、第2クォーターにはデザインプレーからフリーの3ポイントシュートを決めて、初得点を挙げた。
途中、信州に連続で3ポイントシュートを許し、3ポイントシュートのファウルを犯すなど、追い上げられるシーンもあったがトランジションとインサイドアウトが機能し、渡邉裕規が連続で3ポイントシュートを返して42-26で前半を終えた。
その後もインサイドで優位性を保った宇都宮が主導権を握り続けた。オフェンスリバウンドで21-5、セカンドチャンスポイントで19-0とペイントエリアを支配し、2試合で平均21.5得点を挙げていたジョシュ・ホーキンソンをフィールドゴール13本中2本成功の4得点に封じた。フリーのシュートが決まらずに大規模なランはなかったが、終始ディフェンスの強度は下がらずに、宇都宮が危なげなく勝利を収めた。
安齋ヘッドコーチ「組み合わせを見ている状況」
安定感のあるディフェンスを軸に快勝したが、安齋竜三ヘッドコーチは「ディフェンスの部分で3ポイントシュートを警戒していたが10本許した。オーバーヘルプから3ポイントシュートを3、4本やられたので、そこもしっかり守れていればもっと良い点数になった」と、ディフェンスに一定の評価をしつつも、改善の余地があると語った。
また、安齋ヘッドコーチが「もうちょっと点差が離れても良かったと思っている」と語ったように、大きなアドバンテージがありながら、得点が伸び悩んだ。選手層が厚いゆえの贅沢な悩みではあるが、「どのメンバーでやったらどうなるか、組み合わせを見ている状況でもある。明日もそこを見極めながら使っていかなきゃいけない」と、よりマッチする組み合わせを模索しているという。
一方、敗れた信州の勝久マイケルヘッドコーチは「素晴らしいチームを相手にしっかりファイトして力負けしたらそれでいいのですが、準備したことを遂行できなかったり、タフにプレーしなかったり、内容の悪い試合になったので非常に残念です」と肩を落とした。
前節の秋田戦では初戦で25点差の大敗を喫したが、翌日の第2戦では勝ってもおかしくない4点差の惜敗だった。勝久コーチが「今日は点差が40点開いてもおかしくなかった展開だったと思う。明日どうバウンスバックできるか」と語ったように、前節のような修正が一日でできるかどうかがカギとなる。