チーム1のディフェンス力を誇る田中大貴「40分間やれたことの積み重ねの勝利」

2018/06/30
日本代表
1201

文=丸山素行 写真=野口岳彦

「ペリメータ陣の意識も前回とは違いました」

オーストラリアから歴史的な勝利を挙げたバスケットボール男子日本代表。ニック・ファジーカスと八村塁の加入により、インサイドで互角に渡り合えるようになったことが一番の勝因だ。特に前回の対戦で21-48と大きく水をあけられたリバウンド数は、44-50と各段の進歩を見せた。

前回試合をした時は20本近くリバウンドの本数に差があったと思うんです。確かに今日も向こうにオフェンスリバウンドを取られているんですけど、その中でも今日はマイナス6本で、みんなが集中してルーズボールに食らいついていました」と田中大貴もリバウンドの改善について言及した。

しかし、高さの不利をなくすだけで勝てるほどオーストラリアは甘くない。それでも勝利を手繰り寄せることができたのはスクリーンに対してもフィジカルについていき、ローテーションでズレを埋めるタフなディフェンスがあったからだ。オフェンスリバウンドを奪われても、簡単にセカンドチャンスポイントを与えることはなかった。

「彼ら2人が入ることで間違いなく高さの部分で、チームにプラスを与えていると思うんですけど、みんなが集中してルーズボールに食らいついていましたし、自分たちペリメーター陣のリバウンドに絡む意識も前回とは違いました。最後の部分だけで勝ったのではなくて、試合の入りから40分間継続してやれたこと、その積み重ねの勝利だと思います」

その結果、前回の対戦時に51.5%だった被フィールドゴール率を34.1%に封じた。

「完全に押し負けてるという印象はなかった」

田中のスタッツは4得点2リバウンド1スティールと突出したものではない。実際、「シュートタッチのところで苦しみました」と本人が振り返るように、得点面でのパフォーマンスは決して良くはなかった。だが田中は、八村とファジーカス、そして比江島慎に次ぐ25分間コートに立ち続けた。日本にとってはなくてはならない存在と指揮官の信頼を勝ち取った証拠だ。

そしてチームNo.1と言っても過言ではないディフェンスでの貢献度は、オフェンス面での負担が軽減されたことで実現した。「やっぱり彼ら(ファジーカスと八村)がすごく点数が取れるので、自分たちもうまくやれている印象はすごくあります。今まではどうしても自分たちがかき回さないと点数が伸びない状況だったので、そこの部分で、楽になったという言い方はおかしいかもしれないですけど、ちょっとは楽になったと思います(笑)」

強靭なフィジカルを誇るオーストラリアを相手に「楽になった」というのは頼もしい言葉だ。こうした経験を積むことでより高みを目指せると田中は言う。「アジアで一番のフィジカルのチームだと思いますけど、その相手に対して完全に押し負けてるという印象はなかったので。こういうことを繰り返していけば、自分たちももっと上のレベルにいけるんじゃないかなと」

ホームでの初勝利に「素直にうれしい」

オーストラリア相手のアップセットは、今回のワールドカップ予選で5戦目での初勝利、もちろんホームコートで挙げた最初の勝利となった。「今までホームを守れていなかったですし、日本で勝つ姿をファンの皆さんにお見せすることができて、そこは素直にうれしいです」と、田中もホームコートでの勝利を強調した。

昨日の勝利の結果、日本は自力での予選突破が可能となった。7月2日のチャイニーズ・タイペイ戦では得失点差に関係なく、勝利したチームが予選突破という分かりやすい構図に。田中はこう意気込む。「またすぐ試合がありますしこれで終わりじゃないので。この良い流れを次の試合に持って行って、もう一つ勝ちをもぎとってこっちに帰ってこれたらと思います」

0勝4敗の崖っぷちから大きく前進した日本。7月3日には凱旋帰国する姿に期待したい。