B開幕まで待てない![チームの浮沈を握るエース]宇都直輝(富山)、比江島慎(宇都宮)、安藤周人(名古屋D)

B開幕まで待てない![チームの浮沈を握るエース]宇都直輝(富山)、比江島慎(宇都宮)、安藤周人(名古屋D)

2020/09/24
Bリーグ

Bリーグの2020-21シーズンが10月に開幕する。新型コロナウイルスの影響で昨シーズンは途中で終了となり、今シーズンも観客を半分しか入れられないなどコート外の話題が多くなっているが、シーズンが始まればコートで戦う選手たちが主役となる。ここから開幕まで、テーマ別に注目選手をピックアップしたい。まずはチームの浮沈を握る3人の日本人エースをピックアップする。

宇都直輝 在籍5年目、チームを勝たせて日本代表復帰を

Bリーグ初年度に富山に加入し、1年目から大型ポイントガードとしてチームの主軸を担っている。強引に仕掛けるドライブから、ゴール下で外国籍選手を破って得点を奪うオフェンスの魅力は過去4シーズンを通して変わらない。2年目の17-18シーズンの平均17.0得点がギャリアハイで、その後の2シーズンは10.3得点、11.3得点と数字を落としているが、これはタイムシェアをするヘッドコーチの下でプレーした結果であり、チームの成績はこの2シーズンの方が良く、チームが勝つためにより効率の良いオフェンスをしてきたと言える。

またディフェンスでも体格に任せることなくフットワークを使い、穴のない選手になりつつある。在籍5年目でチームでも年長者となり、キャプテンも任されて若いチームメートを引っ張る姿勢も見せてきた。感情を出してプレーするタイプだが、昨シーズンはテクニカルファウルがゼロになった点も成長と言える。

ジョシュア・スミス、ジュリアン・マブンガと得点力のある外国籍選手がいるため、宇都が自分で仕掛けるシーンは減るかもしれない。それでも、豪華ではありながらオフェンス偏重が懸念されるチームでバランスを取りつつ、勝負どころの1本を託せる存在であることが今シーズンの宇都には求められる。新ヘッドコーチの浜口炎はキーマンに宇都の名前を挙げ、「チームを勝たせて代表復帰してもらいたい」と高い期待を寄せている。

比江島慎 勝利をもたらすクラッチプレーへの期待

宇都宮ブレックスに加入して2シーズン、比江島慎の影が薄い。シーホース三河では比江島がエースの位置にいて、勝負どころのポゼッションを託されるのは多くの場合、外国籍選手ではなく比江島だった。しかし、オーストラリア挑戦を経て加入した宇都宮でそのポジションにあるのはライアン・ロシターだ。在籍8年目で日本国籍も取得した彼はコート上の指揮官であり、エースでもある。点の取れる選手はたくさんいるが、勝負どころの1本はロシターに任すものだと周囲も認識している。

それは比江島自身も織り込み済み。彼は世界と戦うため、自分をさらにスケールアップさせるために、あえて厳しい環境に身を置くことを決めた。今でもそのオフェンス力は錆びついてはいない。ヘジテーションから一気にゴールへと迫り、多彩なフィニッシュで得点を奪う能力は、『日本代表のエース』と呼ぶに相応しいものだ。それと同時にディフェンスとリバウンド、ハードワークを身上とする宇都宮のスタイルに馴染み、彼自身もパワーアップしている。

ただ、比江島には勝負どこでボールを託され、チームを勝利に導く1本を決める姿を期待したい。チーム内の立ち位置、ヘッドコーチの考えがあるのは大前提だが、それを覆して「勝負どころの1本を比江島に」とチーム全員に考えさせるパフォーマンスを、今シーズンの比江島には期待したい。この夏に30歳の誕生日を迎えたが、まだまだ丸くなる年齢ではない。天性のリズムでズレを作り出し、そこからディフェンスをこじ開ける比江島の1対1の強さは、クラッチタイムでこそ輝く。

安藤周人 勝負どころの1本を決める、エースの覚悟

名古屋ダイヤモンドドルフィンズはそのポテンシャルを発揮しないまま過去4シーズンを過ごしてきた。西地区のトップチームになっていい実力を持ちながら勝率は5割前後で、チャンピオンシップに進出しても優勝候補とされるチームを覆すだけの強さを欠いていた。理由は様々あるが、外国籍選手と日本人選手、それぞれでエースを確立できなかったことが最大の要因だ。外国籍では本来ならジャスティン・バーレルがその役割だが、ここ4シーズンはケガが相次いでいる。

日本人では過去2シーズンで安藤周人が平均得点でトップ。名古屋Dで4度目の開幕を迎える彼ももう中堅で、エースの重責を彼自身が担い、周囲が彼をエースとして盛り立ててもいいはずだ。彼自身、成長のスピードが速すぎて、また日本代表での経験も重なり、自分の中で咀嚼して力に変えるのが追いつかずに戸惑った感が強い。ワールドカップでは5戦全敗と悔しい思いを味わい、彼自身も持ち味を発揮できなかったが、この長いオフに一度立ち止まって、いろんなことが整理できたはずだ。

良くも悪くも『普通の好青年』である安藤が、エースの覚悟を持つことが、次の成長には欠かせないステップとなる。チームの勝敗の責任は自分が持つと腹をくくり、勝負どころの1本を他の誰かに託さずに自分で打ち切る。それでいて、エースの重責をプレッシャーに感じるのではなく力に変えなければいけない。周囲もすでに安藤の実力は十分すぎるほど認めているはずだ。あとは彼自身の中で覚悟を固めるだけ。いつやるか、今でしょう!

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