文・写真=バスケット・カウント編集部
渡嘉敷来夢「この決断は日本にとってプラスになる」
女子日本代表は4月15日から25日まで第1次強化合宿を開催している。吉田亜沙美や大﨑佑圭など5名の候補選手が欠席したが、残りの47名の選手が今回の合宿に参加した。
今夏の女子日本代表は、9月22日からスペインで開催されるワールドカップと8月14日からインドネシアで開催されるアジア競技会に参戦する。そのためこの52名の候補選手から2チームを編成して大会に臨む。
ワールドカップに挑むAチームの指揮を執るトム・ホーバスは「面白い、若い選手が見つかった。そうした選手たちにウチのシステムを教えたい。AチームもBチームも同じシステムを採用します。もしAチームでケガ人が出たらBチームの選手にもチャンスがある」と話し、ボトムアップの狙いも含めた編成理由を説明した。
技術委員長の東野智弥も「アジア競技会を経てワールドカップに挑むという考え方もあるが、アジアで勝つバスケットと世界で勝つバスケットが同じかどうか」という観点もあり、ホーバスコーチに賛同したと明かした。
52名の候補選手から2チームを選ぶための『真剣勝負』
今日の公開練習の最後には、スクリメージの時間が多く取られた。アジアカップに出場した選手はこのスクリメージには参加しなかったが、代表生き残りを懸けたレースの一環とあって強度の高い『真剣勝負』が繰り広げられた。
練習後、合宿の感想を聞かれた渡嘉敷来夢は「今は選考段階なので、一人ひとりの代表への気持ちが出ている合宿になっています。みんな代表になりたい思いでここに来ているので、そういった練習がしっかりできている」と語った。
渡嘉敷はこれまでWリーグとWNBAの二足の草鞋を履いていたが、今夏はWNBAでの活動を辞退し代表活動に専念することになった。「東京オリンピックでメダルが欲しいので、途中合流するよりも、他の選手のことを知ることもそうですし、自分のことを知ってもらうという意味でも代表活動をイチから出たいという思いです」とその理由を明かした。
その決断の裏には、リオ五輪を含め途中合流することの難しさを感じていたと言う。「やっぱり気を遣っちゃいます。一番はそこですね。みんなはキツイ練習をやってきてるので、そこにいきなり入ってもいいのかなと感じてました」
それでも「みんなも自分のことをリーグでしか見ていないので、一緒に合わせるのと見ているのでは違います。自分のためもそうですし、チームのことも考えた上でしたこの決断は、日本にとってプラスになると思っています」と強い気持ちを持って代表活動に励んでいく。
今回の合宿から選考レースがスタートしたが、5月1日から7日まで行われる第2次合宿が終わるまでにAチームとBチームのメンバーが決定する。オリンピックを見据えた女子代表の活動にこれからも注目したい。