「メンタルのタフさが試される」
NBAは7月末でのリーグ再開に向けて動き出した。準備期間のような扱いで各チームがレギュラーシーズン8試合を戦い、プレーオフに入る。従来より試合数が少ないこと、また途中で長期の中断期間を挟んだことで、どのチームも本来のパフォーマンスを出せるかどうか分からない。長いレギュラーシーズンで高めたチームの完成度をプレーオフで競うのがNBAのあるべき競争の形であり、新型コロナウイルスの影響で超変則スケジュールになった今シーズンが各チームの本当の実力を試す場なのか、という疑念の声はある。
だが、実際にコート上で戦う者にとって、それは言い訳にならない。クリッパーズのヘッドコーチ、ドック・リバースはメディアの取材に応え、どのチームが優勝しても今シーズンの王者は殊勲の金星章に値すると話した。
「先週のアダム・シルバーコミッショナーとの会話で彼が言ったことに私は賛同する。『優勝チームには金星章が相応しい。アスタリスク付きの参考記録として扱われるべきではない』」
今シーズンのNBAファイナルに進出するチームは周囲から隔離されたオーランドで100日近く家族や友人と離れて過ごすことになるかもしれない。いかなる理由でもオーランドを離れれば14日間の隔離期間を過ごさなければコートに戻れず、プレーオフを勝ち進むには厳しい規律を守ることが求められる。「才能やチームの一体感ももちろん必要だが、予想できないことが何度も起きるだろうから、最終的にはメンタルのタフさが試される」
オーランドの環境は選手やコーチがこれまで経験してきたものとは全く異なる。この困難な状況を乗り越えるため、クリッパーズはメンタル強化に重点的に取り組んできたという。
クリッパーズは7月8日にオーランド入りを予定しており、その後間もなくトレーニングキャンプが始まる。NBAファイナルまでの道のりはこれまでにないほど過酷だ。最善の準備をしても、たった一度のウイルス陽性結果でチームのシーズンが終わりかねない。今年NBAで一番タフなチームを決めるオーランドでの戦いに注目したい。