「もう見過ごすわけにはいかない」
奴隷解放記念日(ジューンティーンス)にあたる現地6月19日、アメリカの各都市で人種差別に抗議するデモが行われた。あらためて人種差別について考えさせられるこの日、レイカーズオーナーのジーニー・バスが、『自称レイカーズファン』から送られたというヘイトレターをソーシャルメディアに投稿した。
60年以上もレイカーズのファンというジョーという名前の人物は、書き出しからバスを「売春婦」と罵り、文末には今年の1月下旬にヘリコプターの墜落事故で急死したコービー・ブライアントに対しても口汚い表現を用いて「共に地獄に落ちろ」という文章で締めくくっている。
バスは、差別用語と送り主のファミリーネームを隠した上で手紙の画像を公開し、送り主に次のメッセージを投げかけた。
「じっくり考えた末に、月曜に届いたこの手紙をみなさんとシェアすることに決めました。この手紙を見れば、ヘイト(人種、民族などに係る特定の属性を持つ個人または集団に対する偏見や憎悪)が実際に存在することを分かってもらえるでしょう。こういうことが、現代で起こっているのです。これが真実で、存在していることです」
「ジョー、この手紙を私に送って、あなたは満足しているの?時間、そして切手を無駄にしているだけ(でも、あなたの住所まで記してくれてありがとう)。私は辞退させてもらうけれど、鏡で自分の醜さを見てごらんなさい。こういう手紙は、私のもとにもう何年も送られてきているわ。それで得た教訓は無視すること。その教訓を実践してきたけれど、もう見過ごすわけにはいかない」
「今日はジューンティーンス。私は白人の友人たちに、世界中で人種差別があることを認めて、もう無視するのは止めるようにお願いしました。私たちが変えていかないといけない」
スパーズのヘッドコーチ、グレッグ・ポポビッチも「我々白人こそが、権力に物を言うべきだ」と主張するなど、アメリカ国内の世論は差別に『No』を突きつけている。ポポビッチに続いて、強い影響力を持つレイカーズのオーナーが人種差別と闘う覚悟を示している。