写真=Getty Images

カーターへのトリビュート・ダンクで決着

2月17日にステイプルズ・センターで開催された『サタデー・ナイト』。オールスターゲーム本戦にも劣らない注目を集めるスラムダンク・コンテストは、ジャズのルーキー、ドノバン・ミッチェルが初出場で優勝を飾った。

決勝ラウンドに勝ち進んだミッチェルは、1本目の試技でバックボードにボールを当ててのセルフ・アリウープを成功させ、50点満点を獲得。同じく勝ち進んだラリー・ナンスJr.(キャバリアーズ)が先に2回目の試技を終えると、ミッチェルが満を持して登場し、18年前の伝説を再現してみせた。

ジャズのユニフォームを着てコートに現れたミッチェルは、おもむろにトップスを脱ぐと、その下にはラプターズ時代のカーターのジャージーが。盛り上がる会場を煽ると助走をつけ、2000年のダンクコンテストで優勝したカーターが決めたのと同じ反時計回りの360°ダンクを一発で成功させた。ダンクを終えると、両手のひとさし指を上空に突き上げる『カーター・ポーズ』のみならず、両手を喉元で交差させての『It's Over』というコメントまで完全にコピーしてみせた。惜しくも2回目のダンクは50点満点ではなく48点どまりだったが、合計98点でナンスJr.を上回り、優勝を果たした。

Check out every Donovan Mitchell throw down from his epic #VerizonDunk Contest Victory! #StateFarmSaturday #TakeNote pic.twitter.com/CROhx0JpkR

— NBA (@NBA) 2018年2月18日

ミッチェルはダンクコンテスト後の会見で、『カーター360°』について「実は、半年くらい成功していなかった」と告白。「ここ2日の練習で試したけれど決められなかった。それで今夜決まったから、とても興奮しているよ」

そしてダンクコンテストに向けた準備期間について聞かれると、こう続けた。「信じてもらえないかもしれないけれど、子供の頃から出場するつもりだったんだ。もちろん小さい頃の話だから、大人になって何をするかも分からなかったし、どれだけ高く跳べるようになるのかも分からなかった。その間にできるトリックを増やしたような感じだね」

Larry Nance Jr. turns back the clock with a tribute to his dad in the 1st round!#VerizonDunk pic.twitter.com/9zHwTt1nuW

— NBA (@NBA) 2018年2月18日

今年のコンテストはレベルが高かった。決勝ラウンドに進出したラリー・ナンスJr.も、初代ダンクコンテスト王者の父ラリー・ナンス・シニアへのオマージュを披露。ファーストラウンドの1本目、キャブズのアップ用ウェアを着てコートに立ったナンスJr.は、3ポイントコンテスト後のショータイムで早着替えを披露した男女のパフォーマーに協力を要請。黒いベールに包まれた直後、一瞬にして1984年のダンクコンテストで優勝した父親が着ていたサンズの当時のユニフォーム姿となって登場。そして34年前の父親と同じダンクを再現してみせた。

ナンスJr.は、決勝ラウンドで父とのコンビダンクも披露すると、2本目では前代未聞のアイディアダンクを決める。

一見すると単純なセルフ・アリウープに見えるが、バックボードにボールを当てた後に注目。なんと、バウンドしたボールを1度掴み、再びぶつけてから2回目のバウンドを掴んで決める『ダブルタップ・ダンク』という形に持っていった。このスロー映像が会場内の大型ビジョンに映し出されるや、観客、審査員もびっくり。満場一致で50点満点を獲得してみせた。

Wait…run that back!

Larry Nance Jr. DOUBLE TAPPED IT!#VerizonDunk pic.twitter.com/F6mwGG145v

— 2018 NBA All-Star (@NBAAllStar) 2018年2月18日

今年のダンクコンテストは、コミカルなアイディアより技の難易度が重視された。惜しくも予選敗退となったマーベリックス新人のデニス・スミスJr.は、超高難易度のダンクで満点を獲得。2回失敗したものの、3回目で360°レッグスルー・ワンハンドダンク、しかも回転中に右手から左手にボールを持ち替える凄技で今大会初の満点を獲得してみせた。

??? Dennis Smith Jr. goes through the legs and changes hands for the first 5?0? of the evening!#VerizonDunk pic.twitter.com/DAJOx3ohL9

— 2018 NBA All-Star (@NBAAllStar) 2018年2月18日

同じく予選で敗退した2015年のダンクコンテスト準優勝者ビクター・オラディポは、ファーストラウンド2回目の試技で被り物を用意。実写映画化されたばかりのアメコミ『ブラックパンサー』のマスクを被ってダンクを決め、会場を盛り上げた。

Victor Oladipo takes flight with the #BlackPanther mask ?? pic.twitter.com/PNHqZXlDGa

— ESPN (@espn) 2018年2月18日

拍子抜けした去年のコンテストとは打って変わり、今年はパフォーマンスの迫力、難易度、アイディアも充実していた他、ミッチェルとナンスJr.による『ダンクの先駆者』へのリスペクトも見られ、理想的な盛り上がりで『サタデー・ナイト』を締めくくった。

あとはオールスター・ウィークエンドのメインイベント、NBAオールスターゲームを残すばかり。この勢いのまま、チーム・レブロンvsチーム・ステフィンの熱戦に期待したい。