「周りの人をリスペクトし感謝するよう、母に教えられた」
NBAの各チームと選手は、新型コロナウィルスの影響によりリーグが中断された今、それぞれにできる行動に出ている。ケビン・ラブは、キャバリアーズの本拠地で働くスタッフの支援にと10万ドル(約1050万円)を寄付。ウォリアーズのステフィン・カリーも、オークランドの学校が休校になったことを受け、1万8000人以上の児童のためにフードバンクサービスと協力して100万食以上の食事を提供する。
それぞれに今できることをやっている先輩たちに続いて、ペリカンズのルーキー、ザイオン・ウィリアムソンも動いた。
ザイオンは、試合延期により収入が途絶えてしまう本拠地スムージー・キング・センターのスタッフ全員の1カ月分の報酬を自らが負担すると表明した。ザイオンはInstagramに、「ニューオーリンズの人たちは、僕が昨年6月のドラフトでペリカンズから指名された瞬間から歓迎してくれて、支えてくれている。今までに出会った人たちの中で、最も特別な存在だ」と綴った。
「彼らのおかげで試合ができる上に、ファンのみんな、球団関係者にとって完璧な環境を作り出してくれている。残念なことだけど、スタッフの中には、ハリケーン『カトリーナ』による影響と長く向き合っている人も多い。それに加えて、ウィルスの影響で試合が延期されたことで経済的な影響も出ている。僕は常日頃から周りの人をリスペクトし、自分が置かれている状況に感謝するよう母に教えられた。そこで、スムージー・キング・センターで働くスタッフ全員分の報酬をカバーさせてもらう」
「チームメートに良くしてくれる人たちへの支援を表す方法としては、微々たるものだと思う。でもこうしてみんな一緒になって、国中を脅かす健康問題による辛さやストレスから少しは解放されることを願っている。この街には強い人が多いし、この街自体も逆境に負けない。それでもちょっとしたアシストによって、地域の物事がより円滑に進むこともある」
ザイオンの今シーズンの年俸は、推定975万ドル(約10億5000万円)。その他にエンドースメント契約などによる収入があるとしても、NBAで1年目、しかも19歳の選手とは思えない行動に頭が下がる。
両親の教育の賜物だろうが、ザイオンはパフォーマンス、そしてコート外での行動でも、すでに『フランチャイズプレーヤー』の風格を纏っている。