知らなきゃ損する簡単エクササイズでパフォーマンスアップ!

バスケットボール専門のトレーナー監修による『知らエク』。第3回まではバスケをやる前に行うウォーミングアップを紹介しましたが、今回はプレー後のクールダウンで行う、簡単かつ効果的なストレッチを紹介します。

ウォームアップは筋肉の温度を上げて、頭から手先や足先まで神経の連絡を行くようにするのが目的で、一般的にダイナミックストレッチと呼ばれるのですが、動かしながら伸ばしていくのがポイントになります。クールダウンはその逆で、同じ形を取って5秒とか10秒制しするスタティックストレッチ、いわゆる『静的ストレッチ』です。運動後に固くなってしまう筋肉を伸ばしてあげます。

~内転筋と背骨周りの筋肉を伸ばす~

まずは股関節周りの筋肉、内転筋という内腿の筋肉を伸ばします。また肩を入れることによって背骨周りの筋肉も伸ばします。バスケットボールでは臀筋や太ももなどの大きな筋肉をたくさん使うので、そこをまずしっかり緩めてあげましょう。

~股関節のストレッチ~

次は股関節のストレッチ。足を開いて身体を左右に揺さぶることによって筋肉の緊張状態を緩めてあげます。注意点としては背中が丸まってしまうと効果が出ないので、背筋を伸ばすことを意識しましょう。また、つま先とひざは同じ方向を向けてください。股を大きく開きますが、無理して開いた場合にはつま先は外を向いていても、ひざが内側に入る場合があります。これはひざを痛める原因になります。開くところまで開いたひざに、つま先を合わせてください。

現役選手でも股関節が固い選手はけっこういます。開かないと疲労の原因にもなりますし、腰痛も出やすいです。結局はケガのリスクも高くなってしまうので、可動域の確保は意識して行うようにしましょう。

~ハムストリングを伸ばす~

ハムストリングは太もも裏の筋肉です。走る時に使う絶対的な筋肉で、肉離れなどケガが多く、クセになりやすい筋肉でもあるので、ここは特にしっかり伸ばしてあげましょう。つま先を上げることによってハムストリングがより伸びます。足の裏をつけると、すねの前の筋肉、前脛骨筋という部分と股関節周りが伸びる形になります。つま先をあげるか足裏をつけるかで伸びる部分が変わってくるので、そこも意識しましょう。

クールダウンのストレッチは、運動を終えた直後、まだ身体が温かいうちに行ってください。もう一つ気を付けるべきは、反動をつけた動きは一切入れてはいけないということです。股関節をほぐすのに身体を左右に揺らすのは例外で、基本的に姿勢を保持して筋肉が緩むのを待ちます。反動をつけるとケガのリスクもあるし、第一それで効果が高まるわけではありません。ストレッチの基本として、ゆっくり呼吸をしながら筋肉が伸びるのを待ちましょう。

監修トレーナー:江上猛
福岡県のトレーニングジムK2ATT(カット)を拠点に、プロからアマチュア、幼児から高齢者まで幅広く指導。全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナーの資格を持ち、競技力向上、リハビリテーションエクササイズ指導、健康作り、ボディーメイキングに対応しており、バスケ選手だけでなくプロ野球選手やパラリンピック車いす日本代表選手も指導している。
制作=バスケット・カウント ディレクション=一般社団法人TSO 衣装協力=AKTR

知らなきゃ損するエクササイズ[知らエク]INDEX
[vol.1]バスケ選手特有の問題、首と肩のコリをほぐす
[vol.2]肩甲骨を動かすことで肩の動きをなめらかに
[vol.3]下半身のポテンシャルを引き出してジャンプ力UP
[vol.4]身体が温かいうちにクールダウンで筋肉の緊張を取り去る
[vol.5]すべてのパフォーマンスの基礎となる『正しい姿勢』を作る
[vol.6]盤矯正で腰回り、背骨周りの筋肉を緩め腰トラブルを予防
[vol.7]どのポジションでも必要なジャンプ力を得るエクササイズ
[vol.8]腹圧を意識した体幹トレーニングで『無意識の意識』の獲得へ