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好守ともに最高のパフォーマンスを見せたキャブスが快勝

2勝3敗でウォリアーズが王手を掛けたまま迎えた第6戦。ホームでの最終戦でレブロン・ジェームズが「キング」たる所以を見せ付けた。

キャバリアーズは序盤から激しいディフェンスでウォリアーズを圧倒し、レブロンのレイアップで8-0のランを決めて流れを作る。第5戦を欠場していたドレイモンド・グリーンがドライブから得点を挙げるなど反撃を浴びるも、カイリー・アービングのスティールからレブロンがダンクを決め、流れを渡さない。

その後もトリスタン・トンプソンがリバウンドを制し、JR・スミスもオフェンスで持ち味を出すなど、キャバリアーズの良いところだけが目立ち、31-11と大量リードで第1クォーターを終えた。ウォリアーズのこの11点という数字は、第1クォーターの得点としては今シーズン最少であった。

第2クォーターに入ると、ステファン・カリーを中心にバランスの取れたオフェンスでウォリアーズが盛り返す。残り6分50秒から2分間で9-0のランを決められ8点差まで詰め寄られるが、アービングの積極的なドライブでカリーの3つ目のファールを誘い、勢いを削いだ。

前半を59-43と16点のリードで終えたキャバリアーズは、後半も素晴らしい立ち上がりを見せる。トンプソンがオフェンスリバウンドをもぎ取り、それで得た攻撃機会をレブロンがダンクでものにする。主導権を握ったキャバリアーズはその後もレブロンを中心に効果的なオフェンスを続け、最大で24点のリードを奪う。

しかし、ウォリアーズもやられっ放しではない。ここから当たり始めたクレイ・トンプソンに2本の3ポイントシュートを含む10得点を奪われ、80-71とリードを縮められて第3クォーターを終了した。

キャブスは豪快なオフェンスの連発でウォリアーズを圧倒し、ファンを大いに沸かせた。

勝負どころでカリーが退場、逆転の可能性を自らつぶす

迎えた最終クォーター、明暗を分けたのは両エースの出来だった。キャバリアーズはレブロンが9ポイント連続で得点を重ね、さらにはディフェンスを引き付けてアシストを記録するなど、ほとんどの得点に絡む活躍。対するカリーも得意の3ポイントシュートで追い上げムードを作ろうとするが、残り9分45秒のところで5つ目のファウルを犯し自ら流れを途切れさせてしまう。

一進一退の攻防を繰り広げ、99-87とキャバリアーズが12点リードの中、残り4分22秒のところで遂にその時がやってきた。なかなか詰まらない点差に焦ったカリーが6つ目のファールを犯して退場となった。その判定に納得がいかないカリーはその場で激高し、さらにテクニカルファウルをとられてしまう。

それで得たボーナススローをアービングが沈め、さらに得点を重ねていくキャバリアーズ。エース不在となったウォリアーズに反撃する力は残っておらず、115-101のスコアでキャブスが勝利を収めた。

レブロンが41得点8リバウンド11アシスト4スティール3ブロックと驚異的な数字を残した。ファイナルで2試合連続の40得点オーバーは1993年のマイケル・ジョーダン、2000年のシャキール・オニール以来の記録。勝負どころでのプレーも圧巻のパフォーマンスを見せたレブロンに対し、会場からはMVPコールが沸き上がった。

トンプソンが15得点16リバウンドのダブル・ダブルを記録し、スミスも4本の3ポイントシュートを含む14得点、アービングが23得点と周りの選手も奮起していた。

ウォリアーズはカリーが30得点、トンプソンが25得点とスプラッシュブラザーズで55得点を稼いだものの、終盤の大事な場面での一本が入らなかったり、退場があったりとウォリアーズを勝利に導くことはできなかった。

ブレーキとなったのはハリソン・バーンズ。ノーマークのシュートを外すなど無得点に終わった。さらには第5戦でケガをしたアンドリュー・ボーガットの欠場でゴール下が手薄となり、チーム全体のシュートセレクションが制限されたことも大きい。出場停止明けのグリーンも8得点と奮わず、インパクトを与えられなかった。

これで対戦成績を3勝3敗のタイに戻し、逆王手のキャバリアーズ。NBAファイナル史上、1勝3敗からタイにしたチームはわずか2チームしかいない。その上、逆転で優勝をしたチームに至ってはいまだに存在しない。

泣いても笑っても、次戦に勝利したチームが今シーズンの王者となる。2年連続の優勝か、それとも崖っぷちからの奇跡の優勝か。運命の第7戦は19日ウォリアーズのホーム、オラクル・アリーナで行われる。

6つ目のファールを犯し、判定に納得がいかず抗議するステファン・カリー。