お金で解決できない渋滞に、選手たちはため息
通勤中に渋滞に巻き込まれたトラブルを経験した人は多いはずだ。NBA選手も通勤でのトラブルは例外ではない。ニックスの選手たちは渋滞による長い通勤時間に悩まされている。彼らはプロとして大金を稼いでいるが、渋滞のように世の中にはお金で解決できないこともある。例外は自家用ヘリコプターで練習に通ったコービー・ブライアントぐらいだ。
ニックスの選手たちの通勤時間が長くなってしまうのは、練習場と試合会場が遠いからだ。多くのNBAのチームは会場のそばに練習施設を構えているが、ニックスの練習場はマディソン・スクエア・ガーデンから28マイル(約45キロ)あり、渋滞がなくても車で45分ほどかかる。ニューヨークは常に混雑しているため、倍近く時間がかかることも珍しくない。
今シーズンからニックスでプレーするエルフリッド・ペイトンは通勤時間の長さに驚いている。試合会場まで1時間半かかることもあり「ロードゲームと変わらないね」と嘆く。
長い通勤時間を嫌って引っ越した選手もいる。タージ・ギブソンは今年から練習場と会場のほぼ中間に位置するマンハッタンに引っ越した。渋滞のない朝なら25分で練習場へ行けるようになり、チームメートにもニューヨーク市内への引っ越しを勧めている。
選手たちはそれぞれ長い通勤時間をやり過ごす方法を見つけている。イグナス・ブラズデイキスは音楽を聞き、ボビー・ポーティスは友人に運転を頼んでいる。ペイトンは、運転手を雇っていた時は映画を観ていたが、今は自分で運転している。もちろん問題自体を解決するには移籍するしかないわけだ。
ニックスの長い低迷も、シーズンオフの補強の失敗も、通勤時間の長さとは関係がない。ただ、生活や練習環境の充実はどの選手にとってもポジティブな要素だ。練習は毎日のことだけに、通勤に長い時間がかかれば心身ともに負担となる。ライバルのネッツが試合会場の近くに練習施設を新たに建設し、カイリー・アービングとケビン・デュラントの獲得にも成功したのはただの偶然だろうか?