写真=Getty Images

追い込まれた終盤に3ポイントシュートに特化

10月25日、ネッツは17本の3ポイントシュートを決めてキャバリアーズを打ち倒した。

この対戦の前まで2勝2敗と好スタートを切ったネッツだが、長期離脱中のジェレミー・リンに続きディアンジェロ・ラッセルまでケガで欠く苦しい布陣。立ち上がりからレブロン・ジェームズとケビン・ラブ中心の攻撃を止められず2-11とビハインドを背負うが、デマーレイ・キャロルの連続3ポイントシュートで反撃開始。ここから接戦に持ち込む。

55-52と3点リードを迎えた後半にネッツが走る。アレン・クラブが立て続けに3ポイントシュートを決めて勢いに乗ると、そのクラブからのパスを受けたジョー・ハリスのキャッチ&シュートが決まり、第3クォーター残り2分で78-68とリードを2桁に広げる。

それでも最終クォーターに入るとキャブズが反攻に転じる。本気モードに入ったレブロンを抑えられずに次々に失点し、11点あったリードがあっという間に1点に。タイムアウトを取るも流れを切ることができず、ラブの3ポイントシュートで92-94と逆転を許した。

これまでのネッツであれば、『頑張ってもここまで』だったはず。ところが今シーズンのネッツは一味違う。スモールラインナップで、それまで以上に3ポイントシュートに特化。大きく動いてパスを呼び込み、シュートチェックが来ていても打てると判断すれば躊躇なく打っていった。

そして残り43秒、スペンサー・ディンウィディーが正面で対峙するJR・スミス越しにロング3ポイントシュートを決めて106-104と逆転。直後、JR・スミスの3ポイントシュートがリングに弾かれると、リバウンドから速攻に転じてロンデイ・ホリス・ジェファーソンがトドメのジャンプシュートをねじ込んだ。

レブロン・ジェームズは29得点10リバウンド13アシストのトリプル・ダブルを記録。しかし、レブロン以上に目立ったのはリン、ラッセルの欠場で先発出場のチャンスを得たスペンサー・ディンウィディーだ。4本の3ポイントシュートを含む22得点、勝負どころでの働きが光った。

チームとして46本の3ポイントシュートを放ち、うち17本を決めたネッツ。ケビン・ラブは敗戦後に「ドライブしてキックする。それをアップテンポでやってきた。ネッツは自分たちの武器を理解していて、それを最大限に活用したということだね」と語っている。

3本の3ポイントシュートを含む19得点を挙げたクラブは「打て、打ち続けろ、次の1本は入るぞ、とみんなが声を掛け続けてくれた。その結果が今日の勝利だ」と語る。2日連続の試合、前夜に同じような接戦で競り負けていたこと、主力のケガ、そして相手はキャブズ……と不利な条件が揃っていたが、ネッツはあきらめずにチーム一丸となって戦った。ホーム3戦全勝で3勝2敗と勝ち越し。今シーズンのネッツは一味違う、その印象が決定的なものとなる勝利だった。