
「すべての試合を『0勝0敗』で迎える初戦のつもりで」
敵地で2敗を喫したキャバリアーズは、ホームに戻って流れを変えたかったが、開始2分で1-9と圧倒されて、早々にタイムアウトを取らざるを得なかった。そこから立て直したものの、追い付くことはできても逆転はできなかった。
ニックスが試合の立ち上がりに主導権を握ったのは、一人ひとりが自分のマークを外さない強固なディフェンスで相手の攻め手を封じたからだ。キャブズは試合を通してフィールドゴール84本のうち42本(50.0%)を成功させたが、アシストが付いたのは22本のみで、ターンオーバーは17あった。相手に良いオフェンスを組み立てさせず、トランジションで自分たちは有利な形を作る。このシンプルな展開を48分間キープしたニックスが、危なげなく勝利を手にした。
キャブズを率いるケニー・アトキンソンは「シュートの質自体はそれほど悪くない。期待値ではニックスを上回っているぐらいなのだが、数字と現実は別物だ。ニックスはよりフィジカルで、運動量でも上回っていた。我々はそれに対抗できなかった」と敗因を語る。
ジェイレン・ブランソンは『チームの顔』として常にアグレッシブな姿勢でオフェンスを牽引し、OG・アヌノビーとミケル・ブリッジズは攻守両面で安定感抜群のプレーを見せた。カール・アンソニー・タウンズは試合展開に応じた多彩なプレーで優位を作り出す。ランドリー・シャメットはこの試合でもベンチからの得点源となり、10点前後の差で何とか食らい付こうとするキャブズを突き放した。
ニックスはホークスとのファーストラウンドで1勝2敗と相手に先行を許したが、そこから3連勝でシリーズを制し、セブンティシクサーズはスウィープ勝ち。そしてキャブズにもここまで3連勝で、プレーオフでの連勝を10に伸ばしている。
今のニックスは自信に満ちているが、こうなると気の緩みが出てもおかしくない。しかしジョシュ・ハートは、「僕たちはプレーオフで10連勝したとは考えない」とニックスのメンタリティを語った。「今日は良いゲームをして勝てたけど、それは今日の戦績が『1勝0敗』になっただけ。次はまた『0勝0敗』から始まる。このシリーズはまだ終わっていないし、僕たちのゴールはまだまだ先だ」
この『0勝0敗』が今のニックスの合言葉となっている。タウンズも「すべての試合を『0勝0敗』で迎える初戦のつもりで必死に挑む。そのために必要な規律と遂行力を出していく」と語る。
この試合でのタウンズは13得点8リバウンド7アシスト3スティール1ブロックを記録し、ターンオーバーはゼロ。キャブズ自慢のインサイド陣(ジャレット・アレンとエバン・モーブリー)と激しく戦いながら、オールラウンドな能力をスタッツのためではなく、チームの攻守をスムーズに回すために使った。
「試合の流れの中で、チームが勝つために何が必要かを読み取り、そこに自分のプレーを合わせていった。今日の前半はアグレッシブに得点を狙ったけど、後半に相手が対応してきたから、今度は自分が起点となってのチャンスメークへと切り替えた。試合の流れを読み取ることを常に意識している」とタウンズは言う。
敵地に場所を移しての第3戦でも完勝を収めたことで、シリーズ突破が見えてきた。それでも気の緩みを見せない選手たちの姿勢を指揮官のマイク・ブラウンはこう称賛する。「キャブズには4人のオールスターとリーグ屈指のシューター2人がいて、素晴らしいコーチもいる。決して楽な試合ではないんだ。それでも結果を出せているのは、選手たちが細部にまで集中し、スタッフ陣が素晴らしい準備をしているからだ。一試合一試合、この調子で必死に戦っていくよ」