来シーズンの契約最終年はプレーヤーオプション
リーグ屈指のセンター、アンドレ・ドラモンドを擁するピストンズは、今シーズンにブレイク・グリフィンがケガから復帰し、さらにはデリック・ローズというクラッチプレーヤーを獲得して、大きな飛躍が期待された。しかし、この戦力が噛み合った時には無類の強さを発揮するものの、グリフィンは小さなケガを繰り返し、ローズもプレータイムに制限がかかった状態。チームとして明確な勝ち方を見いだせないまま、直近の9試合でわずか1勝と失速。12勝23敗でプレーオフ圏内から取り残されてしまった。
2020年初戦となったクリッパーズとの試合には、グリフィンが膝を痛めて欠場して完敗を喫した。他にもルーク・ケナード、レジー・ジャクソン、マーキーフ・モリスと主力が軒並み不在では勝機は見いだせない。
こうなるとチーム解体を検討しなければならない。ピストンズとドラモンドの契約は来シーズンが最終年となるが、これはプレーヤーオプション。彼が望めば今シーズン終了後に最終年を破棄してフリーエージェントになれる。デトロイトで8年目を迎えているドラモンドはかねてから、その選択を示唆してきた。ピストンズとしては2月7日のトレードデッドラインまでにドラモンドをトレードに出さなければ、何の見返りもなしに彼を失うことにもなりかねない。シビアに見れば、今のピストンズが彼に契約延長を納得させるだけの材料があるかと言えば悲観的にならざるを得ない。
ドラモンドはまだ26歳で、キャリアの充実期をこれから迎えるプレーヤー。リバウンダーとしての能力はNBAでも屈指で、どのチームも欲しがる戦力だ。ホークス、セルティックス、ラプターズ、マーベリックスがすでに交渉を行っていると噂されている。
ピストンズのオーナー、トム・ゴアズは現状をこう語っている。「コンディションの問題などがあり、期待していたようなシーズンにはなっていない。勝てていない今、我々はすべての選択肢を検討するしかないんだ」
ドラモンドが動けば、リーグの勢力図も変わることになりそうだ。トレードデッドラインに向け、動きは加速していく。