「やっぱり後悔はないかといったら、全然あります」
大阪薫英女学院(大阪)は、ウインターカップ準決勝で61-95で桜花学園に敗れた。
安藤香織コーチが「撃沈しました」と表現したように、点差以上の大敗だった。桜花学園のオコンクウォ・スーザン・アマカの高さに苦戦し、ダブルチームで守ろうとしても素早くボールを回され、フリーになった選手にオープンシュートを決められてしまう。さらに桜花学園の強烈なプレッシャーディフェンスに圧倒されてミスを犯し、そこから連続得点を喫するなど、主導権を握ることができなかった。
そのアマカとマッチアップを続けた森岡奈菜未は「やってきたことがすべてコートに出たと思います。最初は引いてしまった部分があったけど、単純に相手が上手かった。それでも、もっとやれることもあったと思うしシュートも打てていたので、それを決めきっていたらもっと違う試合展開になったと思います」と、涙をこらえながら答える。
「去年の決勝の舞台を知っているのは自分たち3年生の3人だけでした。今年は強いチームではないので一戦一戦しっかり立ち上がって目標の日本一になれるように頑張ろうと、みんなで戦ってきました。みんなで最後まであきらめずにやれたことは良かったですが、やっぱり後悔はないかといったら、全然あります」
「下級生をメインコートに連れてこられたのは良かった」
目標には届かなかったが、得たものもあったと森岡は言う。「自分が薫英に入ってきた時の目標に『メインコートに立って試合をする』というのがありました。去年はそれを達成して、メインコートで試合をできたことはホンマにうれしかったです。その自信はこの1年間で生かされたと思うから、下級生をメインコートに連れてこられたのは良かったけど……」
森岡は1年生から試合に出場し、昨年の決勝戦でも先発を務めた。『自分の代』の大会でもメインコートに立ち、得たものも多いが、その『自分の代』が完敗で終わった悔しさに言葉が詰まる。
それでも薫英での3年間で「バスケに対する姿勢が変わりました。中学校でもそういうことを教えてもらってきたけど、それ以上に自分を人として成長させてもらえた3年間でした」と、森岡は言う。
安藤監督は以前のインタビューで「ここで3年間頑張って、次のステージでも活躍できる人間性を育てたい」と話していたが、森岡にもその思いは伝わっている。
試合を終えたばかりでも、森岡は次の目標について明確なイメージを持っていた。「薫英では本当に基礎とか考え方を教えてもらいました。ここで教えてもらったことをしっかり次のステージでも生かして、その上で技術面やフィジカル面も強くして、もっと上手くなって活躍できる選手になったところを先生たちに見てもらいたいです」
この3年間の経験は今後必ず生きる。次のステージでも薫英で教わったことを生かし、活躍する森岡に期待したい。