田臥にアクシデント、勝負どころを見逃さなかった橋本
初戦は第1クォーターでリードしながらも、栃木ブレックスの堅守とリバウンドによって逆転負けを喫したシーホース三河。だが昨日の第2戦では、栃木のお株を奪うアグレッシブなディフェンスから先手を取り、前半で20点差をつけた三河が前日のリベンジに成功した。
試合開始わずか16秒で田臥勇太がベンチに退いた栃木。長谷川健志ヘッドコーチは「ウォームアップをして判断をしようといっていたんですけど、昨日の試合中に足を痛め、難しいということでした。ただメンバー発表しているので、最初だけ出して生原(秀将)を出しました」とこのシーンを説明した。
このアクシデントを三河の橋本竜馬は見逃さなかった。持ち前のハードなディフェンスで緊急出場の生原にプレッシャーをかけると、連続でボール奪取に成功。スティールから速攻を連続し三河がリードした。周りのディフェンスも橋本に呼応するように激しさを見せ、栃木の攻撃を封じた。橋本が8得点3スティール、桜木ジェイアールも8得点を挙げ26-16と2桁のリードを奪った。
第2クォーターに入っても三河のディフェンスの強度は落ちない。前日同様にオフェンスリバウンドを奪われるも、最後まで集中力を切らさずシュートチェックを行うことでセカンドチャンスポイントを許さない。オフェンスではターンオーバーからの速攻や老獪なハーフコートバスケットで加点。金丸晃輔の8得点の活躍もあり、このクォーターを21-11とし、前半で20点の大量リードを奪った。
後半に入り、何度か栃木に流れが傾いて連続得点を奪われるも、そのたびに金丸や比江島慎が3ポイントシュートを沈め悪い流れを断ち切った。橋本や桜木もショットクロックわずかなところからシュートを沈め、栃木の反撃ムードを払拭。常に2桁リードを保った三河が最終スコア85-70で勝利を収めた。
「オフェンスとディフェンスはリンクしている」
「選手たちは今日やらなければいけないことをしっかり出だしから表現して、最後まで切れないでやってくれたと思います。一番の修正点はオフェンスです。初戦はオフェンスが雑になってしまって、タフショットとか無理なドライブとか多くて、そこをしっかり今日はきちんとやろうということを表現してくれたと思います」と三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは試合を振り返った。
オフェンスの修正が功を奏したと鈴木コーチは語ったが、それは激しいディフェンスがもたらした産物とも説明を加えた。「相手が誰であろうとしっかりプレッシャーをかけていこうと。そこからオフェンスにもっていこうということでボールマンに対してのプレッシャーを上げて、それがオフェンスにつながったと思うんです。オフェンスを修正するとディフェンスが良くなるし、ディフェンスを修正するとオフェンスが良くなるので、相乗効果で今日はいい形にできたと思います」
長谷川コーチも同じ見解を示した。低調なオフェンスがディフェンスの崩壊を招いたと言う。「オフェンスとディフェンスはバスケットではリンクしている。点数が取れないから、我々が一番大事にしていたディフェンスも機能しなかったかもしれない」
先発に責任を持たせる采配、結果を出して応えた選手たち
三河は金丸が23得点、桜木が16得点6アシスト、橋本が15得点4アシスト4スティール、ダニエル・オルトンが10得点10リバウンド、比江島が13得点4アシストと先発の5人が2桁得点を記録。
鈴木コーチは「スターターというのはチームにとって責任がある存在なので、しっかり長い時間プレーさせて責任を持ってプレーさせた」と先発の重要性を強調し、選手がその期待に応えた形となった。
昨年のチャンピオンシップ準決勝で相まみえた好カードは1勝1敗の痛み分けとなった。互いに課題が見つかり、これからは修正とケミストリーの構築を積み重ねていく。60試合と長いレギュラーシーズン、最後に笑うのはどのチームか。
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