文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

ヴァイニーとヴィラードを軸に、新加入選手も持ち味を発揮

今日開幕したアーリーカップ『東海・北陸』地区の第2戦では富山グラウジーズとレバンガ北海道が対戦。前半は競った展開になったが、次第に富山が勢いを増し、最後は余裕を持って最終スコア87-76で勝利した。

ケガの岡田優、デクスター・ピットマンと主力2人を欠いたが、時間が経過するにつれオフェンスもディフェンスも動きが向上。24-16と圧倒した第3クォーターが勝敗の分かれ目となった。

選手の入れ替えが多い富山には連携の未成熟が懸念されたが、実際には問題なかった。ドリュー・ヴァイニーとサム・ウィラードという軸がしっかりしており、新加入組の大塚裕土と橋本尚明もチームバスケットにきっちり順応。オフェンスも素早いパスワークでズレを作っては、フリーでキャッチ&シュートの3ポイントを打つチャンスを作りだした。その結果、3ポイントシュートは30本中13本(43.3%)、2ポイントシュートも41本中20本(48.8%)と確率が高く、試合を通じて良い形でシュートを打っていたことが数字で示されている。

新天地にフィット、活躍が期待される大塚

先発を任された大塚は激しいディフェンスとともに9本中4本の3ポイントシュートを含む15得点を記録。サンロッカーズ渋谷に所属した昨シーズンは先発5試合のみ、15点以上を奪った試合はわずか2つだった大塚が、新たなチームにフィットして勝利の立役者となった。試合後の大塚は、「コーチのバスケを体現するのが最初はなかなかうまく行かなかったのですが、栃木さんと琉球さんと3ゲームをやってチーム力が上がったところでパフォーマンスが出せて、今日はまた自信になりました」と語る。大塚は琉球との試合でも質の高いプレーを見せており、富山の水が合った様子。新シーズンへの期待が高まるパフォーマンスだった。

富山は先週、栃木ブレックスと琉球ゴールデンキングスとのアウェーゲームを実施していた。ここでリーグトップレベルの強豪相手に実戦経験を積んだことが大きなプラスになったようだ。

特別指定選手から正式にプロ選手となった小原翼は試合終盤にファウルアウトになったものの、当たり負けしないフィジカルなプレーでピットマン不在の穴を埋め、水戸健史はディフェンスを引き締めつつ要所で攻撃でも存在感を発揮。宇都直輝も得点こそ5と伸びなかったがスピードを生かして速攻の出し手にも受け手にもなった。活躍すべき選手がすべて活躍。終盤に追い上げられたものの、余力を残しての勝利だった。

一方の北海道はグレゴリー・ウィッティントンが24得点、マーク・トラソリーニが14得点と新外国籍選手が数字を残したが、まだ連携が出来上がっておらず個でプレーしている印象が強く、彼らにボールを預けるため日本人選手の得点が伸びなかった。トラソリーニは「全体的に動きが遅かった」と自分たちの出来の悪さを認めながらも「まだプレシーズンで、立て直して改善する時間があるので、しっかり練習から取り組んでいきたい」と語る。

勝った富山は明日の第2試合、16時から三遠ネオフェニックスと対戦する。