アジアカップに挑む男子日本代表、オーストラリアの高さと巧さに屈しフリオ・ラマス新体制初の公式戦を白星で飾れず

アジアカップに挑む男子日本代表、オーストラリアの高さと巧さに屈しフリオ・ラマス新体制初の公式戦を白星で飾れず

2017/08/09 07:30

文=丸山素行 写真=FIBA.com

外角シュートで渡り合うも、高確率は続かず

男子アジアカップが昨日開幕した。フリオ・ラマス新体制となった日本代表はオーストラリアに68-84と完敗を喫した。

日本の先発は富樫勇樹、比江島慎、田中大貴、アイラ・ブラウン、竹内公輔。序盤は日本の外角のシュートが高確率で決まり、一進一退の攻防を繰り広げる。高い位置でのピック&ロールから生まれるわずかなズレから、ジャンプシュートを次々と沈めていく。特に田中は3本のシュートをすべて成功させ、7得点を稼ぎチームを牽引した。

だが20-19と日本がリードして迎えた第2クォーターでは、ペイントエリアに攻め込むことができずシュートセレクションが単調になり、次第にシュート確率が落ちていく。ドライブを仕掛けてもズレを作れず、オフェンスを再セットする間にショットクロックがわずかになってしまい、単調なアウトサイドシュートを打たされる、という悪循環に陥った。

ディフェンスでは2-3のゾーンで高さの不利をなくそうとするも、これが機能せず。余裕を持ったパス回しからノーマークを作られ、高確率で外のシュートを射抜かれた。またアイラが残り5分を残し3つ目のファウルをコールされ、抗議したラマスコーチがテクニカルファウルを取られるなど、流れは完全にオーストラリアに。

残り4分を切ったところでは、ディフェンスをセットする隙を突かれて、速攻からアリウープを許し、24-34と点差が2桁に。富樫のバスケット・カウントで第2クォーターを終えるも、31-42と劣勢のまま前半を終えた。

敗色濃厚な試合展開の中で垣間見えた『日本の形』

後半、個人ファウル3つのアイラをスタートから起用し勝負に出る。ここまでドライブからの合わせがほとんど見られなかったが、田中のドライブインからゴール下でアイラが合わせ、初めて良い形で得点が生まれた。そこからアイラの1on1が効果的に決まり、フェイダウェイシュートやスピードの利から8得点を挙げ、残り4分で41-49と踏ん張りを見せる。

それでも、ここからオーストラリアの猛攻を受ける。純粋な高さの前にセットプレーからペイントエリアで失点し、中を固めたところを外から射抜かれた。ディフェンスが崩壊したことで足が止まり、オフ・ザ・ボールの動きが消え、外一辺倒のオフェンスとなってしまった。

ラスト4分間で2-15と失速。第3クォーターを終えて43-64と、ほぼ試合を決められてしまった。しかし最終クォーター、日本はここから『理想の形』の片鱗を見せる。篠山竜青、張本天傑が積極的にリングにアタックし、次第にパス回りが良くなる。古川孝敏がオフ・ザ・ボールの動きでディフェンスを翻弄し、オーストラリア守備網に綻びが生まれた。

ドライブからディフェンスを収縮させ外にパスアウト、そこからカウンターでペイントにアタックし、ヘルプが来たところでパスをさばくなど、オフェンス優位の状況を作り出した。その結果ドライブからシュートファウルを多く獲得し、フリースローも確実に沈め点差を縮めた。

アグレッシブな守備から橋本竜馬がターンオーバーを誘うなど、ディフェンスでも粘り強さを見せた。オフェンスリバウンドから得点を許すことはあっても、積極的なダブルチームが功を奏し、崩される場面は減った。トランジションからアウトナンバーを作り、古川が3ポイントシュートを沈め、最終盤にして初めて速攻から得点が生まれるなど、日本の目指す形が垣間見えた。

「試合の流れの中で押し負けてしまったのが敗因」

試合には68-84で敗れたが、最終クォーターでは25-20と日本が上回った。

ウルグアイとの強化試合では低調だったフリースローの確率も92%(23本中25本)と高確率で、流動的なオフェンスができれば身長のミスマッチがあってもフリースローを獲得できることを証明した。リバウンドで20-47(オフェンスリバウンド4-15)、ペイントエリアの得点でも10-48と大きく差が付いたが、それでも戦える姿を見せられたことは収穫と言える。

ヘッドコーチが代われば即座にチーム力がアップするわけではない。それでもラマスコーチがチームに合流してからまだ1カ月にも満たない間に、これだけの可能性が示せたことは明るい材料ではないだろうか。

ラマスコーチは試合後「決して悪い試合をしたわけではありません」と前置きしながらも「オーストラリアに勝つために、十分な戦いはできませんでした」と語る。

「現時点で、オーストラリアが我々より格上であるのは結果の通りです。しかし選手たちは努力し、できるだけインサイド寄りにプレイしてリバウンドを守ろうとしてくれました。一時的にそれを徹底できた場面はありましたが、試合の流れの中で押し負けてしまったのが敗因です」

「国際大会を評価するには、毎試合を通して見ていくべきです。今日の試合の目標はできるだけ良いゲームをして、それを生かして次のチャイニーズ・タイペイ戦に勝つことでした。もちろん東アジア選手権ではホームで負けた相手であり、その強さは認めています。しかし、チャイニーズ・タイペイは勝たなければいけない相手でもあります」

第2戦は10日、チャイニーズ・タイペイと対戦する。

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