取材=小永吉陽子 写真=小永吉陽子、FIBA.com

勝利のカギとなったのはツーガード起用

バンガロール(インド)で行われているアジアカップ、日本代表は昨日の韓国戦にも勝利して開幕2連勝と好スタートを切った。立ち上がりこそ相手の先行を許したものの、すぐに立て直して第2クォーターに堅守速攻のバスケットを展開。第2クォーターで26-7と韓国を圧倒し、後半はプレータイムをシェアしながら余力を残して勝ち切った。

勝利のカギとなったのは、第1クォーター途中から使ったツーガード。最初は吉田亜沙美と町田瑠唯の、第2クォーターからは町田と藤岡麻菜美の2ガードが攻守にエネルギーを注入し、劣勢を覆した。ヘッドコーチのトム・ホーバスはツーガード起用についてこう振り返る。「ペースが遅かったので、ポイントガードが2人いるとペースがすごく速くなる。あの2人はディフェンスも良いから、相手の11番は第1クォーターで10点、第2クォーターで2点を入れたけど、あれは2ガードがいなかったから。ルイ(町田)とネオ(藤岡麻菜美)がいた時に彼女は0点だった。すごく良かった」

もっとも、すべてが良かったわけではない。終盤には楽勝ムードの油断からミスが出て、相手の反撃を浴びた。ホーバスHCは言う。「相手がオフェンスリバウンドを何回も取って、それは良くない。相手が何回も取ってから遅いペースになって、ハーフコートゲームになる。それはウチのゲームじゃない」とバッサリ。

結局、セカンドユニットでゲームを締められず、終盤にスタメンをコートに戻したのを「あれは絶対やりたくなかった」と振り返る。ただ、厳しいことを言うのもセカンドユニットの若手にも信頼を寄せているからこそ。「ちゃんとやったら良いバスケットをやってるよ、あの子たちも。ただ波が大きすぎる」とホーバスHCは言う。

強豪オーストラリア戦も「ディフェンスから走って」

キャプテンの吉田は出だしの重さを課題として挙げた。「悪い中でもみんながディフェンス頑張って踏ん張って自分たちの流れにしたっていうことが、最大で20点開いた結果だと思います。でもそれを出だしからやっていかないと明日は追い付けないので、自分たちのバスケットが最初から出るように、私もプッシュするし、選手の気持ちを上げていけるようにやっていかなきゃいけない」

「トムも言ってたけど、自分たちの流れが来てる時はディフェンスがうまくいって走れている。自分たちのペースになっています。それもオリンピックの時に私たちも確信した部分があって、日本はそれがないとどうしてもセットプレーでは点が取れないので、走ることが大事です。やっぱりディフェンスからリバウンドを取って走る、これが日本のスタイルだと思うので、明日はそれを40分間できるようにやっていければ」

グループリーグ第3戦の相手はオーストラリア。日本、中国と並ぶ優勝候補の一角とここで当たることになる。ビッグゲームを前にホーバスHCはこう語る。「まだスカウティングをやってないけど、ポイントはいつもと一緒。ディフェンスから走って、そこからウチのペースに」

日本のバスケットが展開できれば、オーストラリアが相手でも十分に勝算はある。ただ、そうは言ってもリオ五輪では勝てなかった相手。アジアに入って来た強豪相手に日本がどんな戦いを見せられるか。アジアカップ3戦目のオーストラリア戦は、本日16時45分(日本時間)試合開始となる。