攻め気を貫き有言実行
バスケワールドカップ、アメリカと対戦した日本は45-98と完膚なきまでに叩きのめされた。
比江島慎は19分間の出場で4得点とインパクトを与えることはできなかった。前日練習を終えた後の「オフェンスをアグレッシブにいくことを第一に」との言葉通り、比江島は果敢にアタックし続け、シュートアテンプト数は馬場雄大に次ぐ8本を記録した。
ディフェンスを崩せずに個で仕掛けるしかなく、またアメリカの圧力の前に確率は上がらなかったが、臆せずアタックし続けた姿勢は評価に値する。
スコアが示すように、日本は攻守ともに圧倒されたが、その差は何だったのか。比江島は言う。「フィジカルをしっかり使って、足を使ってディフェンスをしてくるし、今までで一番ボールをもらいにくかったし、パスも繋がらなかったです。オフェンスでは、スクリーンアウトをしてもそれを弾き飛ばしてくるし、ギアチェンジのスピードは他の国とは明らかに違いました」
作戦を遂行するも「遊ばれたのは事実です」
ドライブからのキックアウト、エクストラパスにより、日本は41本の3ポイントシュートを打たれた。ディフェンスが崩壊していたように見えたが、それは「中を固めろ」という指示があったからだそうだ。
もちろんアメリカを相手にすべてを守ることはできず、守りどころを絞ることは当然だ。3ポイントシュートを多く打たれたのはある意味、作戦通りだったと言える。だが比江島は「それにしても、遊ばれたのは事実です」と、作戦を言い訳にしなかった。
比江島はこの結果を受け、「日本らしいプレーはやらしてもらえなかったし、これがアメリカ」と試合を総括した。そして、「正直もっと行けると思っていたけど、想定内と言えば想定内」と、率直な思いを明かした。
アメリカは全員がNBA選手であり、八村以上の実力者が12人いるようなチーム。もともと個の能力差は明らかだった。いわゆる『日本らしさ』を出せれば、もっと善戦できたかもしれないし、それが出せなければこのような結果になるということだ。
「この舞台で経験できたことを良しと捉えて、切り替えるしかない」。そう比江島が言うように、世界1位の強さを実感した後の日本バスケの行く末に期待したい。