
プレーオフ常連に育てるも「ケガの不運がなければ」
ピストンズとの『GAME7』を落としてプレーオフ敗退が決まると、マジックはただちにジャマール・モズリーの解任を決めた。
マジックは3年連続でプレーオフ進出を果たすも、いずれもファーストラウンド敗退。パオロ・バンケロにフランツ・バグナー、デズモンド・ベインとタレントは揃っているが、ケガ人が多い中でチームとしての戦い方に幅を持たせられなかった。レギュラーシーズンでも中盤に停滞する時期があり、プレーオフで何らかの成功を収めない限りは解任やむなしと見られており、実際にその通りとなった。
モズリー自身も解任を覚悟していたようで、『GAME7』で敗れた後の会見は退任会見のような雰囲気だった。敗因について問われても「そういう話はやめておこう」と質問を遮り、チームへの感謝を語った。「今はただ感謝している。何をすべきだったのかはこれからじっくり振り返るが、現時点では『GAME7』という舞台に立ち、戦い抜いた選手に敬意しかない。そして勝利への道を見いだしたピストンズを称えたい。とにかく、私が言いたいのは『このチームを指揮できて最高だった』ということだ」
「本当に素晴らしい旅だった。私が就任した時から、チームで団結してディフェンスを軸に戦うチーム作りを進めてきたが、今はそれだけでなく選手たちが高いレベルでコミュニケーションを取り、互いに尊重して責任を負えるようになった。上手く行かない時に言い訳をするのではなく自分自身を見つめ、『何ができるか』を考えて実行する。それがこの5年間で培ってきた成長の証だ」
モズリーは失敗したわけではない。個々の選手が高いプロ意識を持つようになり、チームは彼の下でタフに戦えるチームとなって3年連続でプレーオフに進出した。永遠に再建期にあるチームが少なくないことを考えると、マジックに基盤を作り、プレーオフの常連へと仕立てたモズリーの働きは評価されるべきだ。
今シーズンにしても、「ケガの不運がなければ」と思わざるを得ない。ワグナー、バンケロ、ジェイレン・サッグスが長期離脱を余儀なくされ、ベインとウェンデル・カーターJr.を含むベストラインナップで戦えた試合はほとんどなかった。そして今回のファーストラウンドも、第4戦まで3勝1敗でリードしていたにもかかわらず、バグナーがふくらはぎのケガで戦線離脱したことで流れが変わってしまった。
モズリーは解任の憂き目を見たが、ヘッドコーチ初挑戦で一定の結果は残した。長い下積みを経てもチャンスをもらえないコーチが多い中、彼は47歳にして確たる実績を残したコーチとなり、新しいチャンスも遠からず得られるだろう。問題は『プレーオフで勝てるチーム』にマジックを引き上げる次のヘッドコーチは誰かということだ。ジェフ・ウェルトマン球団社長はモズリーの解任を発表するとともに、「まだどんなタイプのコーチを雇うかは決めていない」と明かした。
「正直なところ、まだ分からない。多くの候補者と話し合いの機会を設け、チームをどう見ているか深く掘り下げた対話をする中で、我々が気付いていない部分の指摘があるだろう。そこから検討を進めていきたい。後任探しはすぐに始めるが、いつまでに決めるかの予定は立てていない。このチームは可能性に満ちており、勝利を渇望している。このポストはどの候補者にとっても魅力的だろう」