カイド・カニングハム

カニングハムは3試合でワーストとなる24ターンオーバー

現地4月28日、マジックとピストンズのプレーオフファーストラウンド第4戦は、近年のNBAでは珍しいほどのロースコアゲームとなった。両チーム合わせて3ポイントシュートの成功率が23%(15/65)と低迷し、フィジカルな肉弾戦が繰り広げられた。

その均衡を破ったのは、マジックのデスモンド・ベインだった。第4クォーター残り1分20秒、ベインが放ったディープスリーは、バックボードに当たってリングに吸い込まれた。この幸運なバンクショットでリードを6点に広げたベインは、コート上で手を合わせる。そして、コートを駆け戻るベインの視線の先には、応援に駆けつけたグリズリーズ時代の元チームメート、ジャ・モラントとジャレン・ジャクソンJr.が笑顔でセレブレートする姿があった。

マジックはケガ人や不調に苦しむ時期もあったが、プレーイン・トーナメントでホーネッツを破って以降は、『東の脅威』としての姿を取り戻している。フィジカルなディフェンスに加え、好機を逃さないオフェンス、そして勝負強さと運をも味方につけている。それでも、相手は東の第一シード。だからこそ、ベインは勝って兜の緒を締める。「相手は60勝チームだ。3連勝なんて彼らにとっては造作もないことだろう。レギュラーシーズンで何度もやってきたことだからね。僕らはもっと高い集中力で挑まなければならない」

最終スコアは94-88。ピストンズはスタッツ上では圧倒していた部分もある。アイザイア・スチュワートの8本を筆頭に、チームで18ブロックを記録し、ゴール下の攻防を制した。しかし、ターンオーバはマジックの倍となる20。エースのケイド・カニングハムは25得点9リバウンド6アシストと奮闘したが、同時に記録した8ターンオーバーが、そのままチームの命取りとなった。

カニングハムは直近の3試合で24ターンオーバー。これは1977年以降のプレーオフにおいて、3試合でのワースト記録だ。カニングハム自身も「今の僕らのプレーでは勝てない。このリーグはそんなに甘くない」と、自らのミスを認めざるを得なかった。「マジックは良いチームだ。リバウンドで圧倒され、僕からターンオーバーを奪っている。僕らはシュートを決めきれず、今のプレー内容を見れば、負けていることに驚きはないよ」

過去、60勝以上を挙げながらプレーオフ1回戦で1勝3敗の窮地に立たされたチームは、2007年のマーベリックスと2011年のスパーズのみ。そしてその2チームとも、結局逆転突破は果たせていない。

ピストンズがこの呪縛を解くには第5戦でまず1勝を挙げ、流れを引き戻すしかない。ヘッドコーチのJ.B.ビッカースタッフは「我々は屈しない。ホームでパンチを繰り出す」と強気な姿勢を崩さないが、フィジカルな守備で自信を深めているマジックを崩すのは容易ではない。第8シードによる下克上の完成まで、あと1勝。ピストンズのプライドを懸けた戦いは、崖っぷちのホーム戦へと続く。