ジェイレン・デューレン

レギュラーシーズンに見せた圧倒的強さを発揮できず

第1シードのピストンズと第8シードのマジックによるファーストラウンド、第4戦はマジックが94-88とロースコアゲームを制し、3勝1敗でシリーズ突破に王手を掛けました。

細かな戦術よりもハードワークを重視する同じタイプのヘッドコーチが率いる両チームは、レギュラーシーズンで上位のピストンズが圧倒するとの予想の逆を行く展開になっています。ここまでの4試合に共通するのは、インサイドの攻防で優位に立ったチームが勝っているということです。

レギュラーシーズンのピストンズはペイント内得点と失点の差が+14.2もあり、スティールから速攻での得失点差もリーグトップの+6.4。フィジカルなゴール下の強さ、そしてハードなディフェンスと運動量で東カンファレンスを制しました。逆に3ポイントシュートの成功数11.0本はリーグで3番目に少ないチームです。

プレーオフに入ってもそのスタイルは変わらず、激しいディフェンスからの速攻とインサイドの強さで勝負していますが、計算外だったのがジェイレン・デューレンの苦戦です。レギュラーシーズンは65.0%あったフィールドゴール成功率が45%に落ち込み、得点も19.5から9.7と半減しています。

武骨に見えてもスキルが高く、リングから離れた位置でもプレーメークに絡み、ギリギリまでパスを呼び込むスペースを保ってからリングへダイブし、フィジカルの強さでゴール下を決める。そんな力強いプレーがデューレンの強みでしたが、マジックがフィジカルで対抗しつつ、素早いカバーによって囲んでくるため、思うようにプレーできません。

苦戦が続く中でデューレン自身もフラストレーションを溜め、それでリズムを崩しているシーンも見られます。スクリーンを上手くヒットさせられず、動いてしまいオフェンスファウルを取られたり、速攻にパスを呼び込むスペースを作らないまま走り、パスの出し手とタイミングが噛み合わない場面もあります。

もちろん、デューレンだけの責任ではありません。ピック&ロールへの対応に弱点があるマジックのディフェンスに対し、プルアップ3ポイントシュートを打つのがケイド・カニングハムしかいないため効果的に攻められず、サイドに展開してもウイング陣の3ポイントシュートが決まらないため、マジックはインサイドのデューレンに分厚いディフェンスを送ることができています。

しかし、そもそもピストンズは3ポイントシュートを多用するチームではなく、マークが厳しくてもデューレンがゴール下を制することを前提とした戦い方をしてきました。負ければ終わりのエリミネーションゲームで、精神的に追い込まれた状況でのプレーとなりますが、その中でデューレンがオールスターセンターであることを示すことが、ピストンズが逆転する最低条件になってきます。