クリスマスゲームで完敗したロケッツに完勝を収める

レイカーズにとって今シーズン最低の瞬間は、ロケッツに23点差で敗れたクリスマスゲームだった。この時、ヘッドコーチのJJ・レディックは「必要なことをやり遂げる熱量を欠き、プロ意識もない」と選手たちを批判した。

これだけ強い言葉は、選手の権利意識が強いNBAではリスクが高い。特にレブロン・ジェームズルカ・ドンチッチと『超』が付くスター選手を抱えるレイカーズでは、選手から反発を食らいかねない。だがレディックは「勝ちたければ勝つための努力をどれだけできるかだ」と言い、強烈な檄を選手へと飛ばした。

その効果はすぐに現れたわけではないが、チームは少しずつ変わり始めた。オフェンスで恐るべき爆発力を持つが、スター選手が自分の力を誇示し、周囲がそれに頼りがちなチームではディフェンスが疎かになる。レブロンとドンチッチ、オースティン・リーブスのトリオが揃わない時期には効果が見えづらかったが、レイカーズは弱点を克服しつつあった。そして今、攻守のポテンシャルが噛み合うようになった。

現地3月16日、クリスマスゲーム以来となるロケッツ戦でレイカーズは100-92の完勝を収めた。ロケッツにとって92得点は今シーズン2番目に少ない数字。ケビン・デュラントに常にダブルチームを送り込み、それでいて守り方を細かく変えることで18得点2アシスト、7ターンオーバーと封じ込めた。

ディフェンスとリバウンドに正しく意識を向けてハードワークができていれば、オフェンスが問題になることはない。ドンチッチが36得点4アシスト、レブロンが18得点5アシスト、リーブスが15得点5アシストとバランス良い攻めを展開した。

レブロンは「シーズン序盤との比較はしたくない。ただ今の自分たちについて話したい。今はやるべきことに集中できている。今日はチームが成長していることを確認できた。次の試合でもまた成長したい」と語る。

ディフェンスへの集中について「プレーオフの雰囲気だったからね」とレブロンは言う。「プレーオフレベルのチーム同士が、何とか得点しようともがきながら、同時に守備では集中を研ぎ澄ましている。オフェンスに頼るのではなく、しっかり守る。それがプレーオフの戦い方だ」

年末との違いを語ったのはマーカス・スマートだ。レイカーズに来てこれまで以上にタフなディフェンスを求められるようになったスマートは「相手のプレーをぶち壊すつもりで戦ったのさ」と笑う。「KD(デュラント)のような最高の選手と対戦する時は、瞬時に判断して状況に応じた守り方が必要になる。チームとして鋭いローテーションをして、上手く守ることができた」

長らくディフェンスが弱点と言われてきたリーブスも、ここで大きな成長を見せている。彼はディフェンス自慢のスマートと同じく「相手のプレーをぶち壊す、ただそれだけなんだ」と語る。ダブルチームでデュラントの懐に飛び込み、その動きを封じる好ディフェンスがたびたびあった。レディックは「本物の戦士だ」という言葉でリーブスの戦う姿勢を称賛している。

華麗なバスケを展開する試合ではなかったが、フィジカルに戦うロケッツの激しさに一歩も引かず、むしろ押し返した。48分間、強度を落とさず戦い続けることで勝利をもぎ取ったことに、リーブスは自信を強めている。

「いつも華麗なバスケで勝てるわけじゃない。こういう勝ち方も必要なんだ。鮮やかなプレーで勝てるならそっちの方が良いけど、ロケッツは常に全力で戦うチームだから、こちらもぶつかっていくしかない。ベストコンディションじゃなくても泥臭く戦って勝てたことには大きな意味があるよ」

レイカーズはこれで6連勝。直近の10試合で9勝1敗と勝ち続け、サンダーとスパーズに続く第2集団のトップへと躍り出た。オフェンス偏重だったレイカーズは、オフェンスの良さを残しつつディフェンスのバランスが取れるようになったことで、その強さが格段に増している。