
「厳しい条件が揃っていても泥臭く勝ちを引き寄せた」
ウィザーズは必死だった。2日前のヒート戦でバム・アデバヨに83得点を奪われ、その価値を認めたくない者たちは「相手がウィザーズだったから」と批判した。ファンはともかく、ロケッツの指揮官イメイ・ユドカまで冷ややかな笑みでそう語った。連敗を9で止めるべく、トレイ・ヤングが出場。連戦の2日目で疲労のあるマジック相手に必勝を期した。
しかし、マジックも負けるわけにはいかない。開幕からまずまずの戦いを演じてきたが、もう伸びしろのないチームと評価されており、それを覆す必要があった。5連勝で持ち直してきたところで、下位のウィザーズに足をすくわれてはならない。いずれもホームとはいえ2連戦で疲労はあったし、フランツ・バグナーやアンソニー・ブラックを欠いていた。
「連戦の疲れはあったし、ウィザーズはそれを突くためにペースを上げてスピード感のあるバスケをしてきた。ウィザーズはこれで10連敗だが、今日の戦いぶりは素晴らしかった。この数日間いろいろ批判されて、強い気持ちでぶつかって来るのは予想していたよ。終盤に追い付かれて延長に持ち込まれたのは、ウチのミスというよりウィザーズのバスケが良かったからだ」と、マジックのヘッドコーチ、ジャマール・モズリーは言う。
第3クォーター序盤にマジックは最大19点のリードを奪ったが、それを維持できなかった。終盤になればなるほどローテーションが苦しくなり、ジョナサン・アイザックがアリウープの着地に失敗して戦線離脱したのも痛かった。
それでもマジックは疲労やアクシデントを言い訳にしなかった。延長でも残り1分半で同点と競った展開が続いたが、最後はジェイレン・サッグスの3ポイントシュートとフリースローでウィザーズを突き放し、136-131の勝利を収めた。
指揮官モズリーは言う。「14本もオフェンスリバウンドを取られ、ペイント内で52得点を許した。我々がやるべきことを相手にやられた試合だった。しかし、大事なのは勝利だ。厳しい条件が揃っていても、泥臭く勝ちを引き寄せた。それこそが、我々のやるべきことだ」
サッグスは28得点8アシストを記録。疲労が極まる延長の終盤、ピック&ロールに相手のディフェンスが前に出れず、アンダーで守った瞬間を見逃さずに決めた3ポイントシュートが勝敗を分けた。
「第4クォーターで勝っておくべきだった。リードを守りきれずに延長に持ち込まれて、良い試合だったとは言えない」とサッグスは言う。「でも、こういう試合でこそ僕たちはロボットじゃないと認識しなければいけない。身体だけじゃなくメンタルも疲労は存在する。こういう試合を勝つには半端じゃないエネルギーが必要なんだ。ウィザーズには若い勢いがあり、それを統率するトレイ・ヤングもいた。それに対抗するにはチーム全員で食らい付くしかなかった。勝つべき試合だったけど、負けてもおかしくなかった。あきらめずに戦い続けたことで勝てたんだ」
サッグスは試合後の会見でも疲労困憊で「早く帰って寝たいよ」とボヤいた。ただ、勝って喜ぶのではなく、勝敗とは別にこの試合から教訓を得ようと考えていた。
「僕たちは決して相手を軽視していたわけじゃない。でも、相手が弱っている時に確実にトドメを刺さなきゃいけなかった。第4クォーターの最初に隙を見せたことで、相手に希望を持たせてしまった。このリーグでは2桁のリードなんてあっという間に消えてしまう。そのリスクを冒して負けるところだった。この苦戦から学んで、二度と同じ過ちを繰り返してはならない」