「違う国で指導することで多様性を学べました」
6月8日からバスケットボール男子日本代表は今夏の代表活動をスタートさせたが、これまでと大きく違うのがコーチ陣の多さだ。これは伊藤拓摩強化委員長による、選手だけでなくスタッフの底上げも図りたい考えによるもので、複数の若手コーチが参加している。
その内の1人である間宮誠コーチは、直近までヨルダン代表のスタッフを務め、同国リーグの強豪アンマン・ユナイテッドのヘッドコーチという貴重な経験を積んだ。まず、今回の合宿参加について間宮コーチは「初めて5人制のこういうキャンプに招待していただいてありがたいです。すごくうれしいですし、やりがいがあります」と語る。
京都ハンナリーズ在籍時代にヘッドコーチだったロイ・ラナが昨年にヨルダン代表の指揮官に就任したことが、ヨルダン行きに繋がった。そして、昨夏の『FIBAアジアカップ2025』や『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Windowでスタッフとしてラナを支えた。また、中東情勢の影響からプレーオフ前にチームを離れたが、指揮を執っていたアンマン・ユナイテッドはリーグ優勝と、確かな結果を残した。
ちなみに間宮コーチによると、ヨルダンリーグは次のような規模とフォーマットで行われているという。「全部で8チームです。まずファーストラウンドとして総当たりで各チームが2回戦い、その後でプレーオフのような形で進んでいきます。個の能力がすごく高い選手はいて、チームによってバラツキはありますが、トップ4チームくらいは拮抗していました」
当然のように、日本とヨルダンはまったく環境が違う。「みんな英語を話せるので、基本的にバスケに関してコミュニケーションで困ることはなかったです」と語る一方で、「1つ例を挙げるとすれば、ラマダンがある時の練習時間の調整など難しさもありました」と、文化の違いにアジャストするのは大変だったようだ。
ただ、今までと異なる環境に身を置いたからこそ、得られたモノは大きかったと間宮コーチは振り返る。「何人か外国籍もいましたが、圧倒的にヨルダン人のコーチが多い中、精神的にもタフにやっていかなければいけないと思う部分はありました。バスケだけでなく、生活面も大きく違う。自分が何も知らない環境に飛び込んだことはすごく良かったです」
「外に出ていくことの大切さを感じました。たまたま自分の場合はヨルダンでしたけど、今回の代表キャンプもそうですし、知らない人、知らない場所でもしっかり自分らしさを出していくことは重要だと思います。やはり日本ではある程度、どのチーム、選手も共通のスタンダードがありますが、それが海外では違うところもあります。違う国で指導することで、多様性を学べましたし、もっと引き出しを増やしていかないといけないと思いました」
ヨルダンでの1シーズンについて、間宮コーチはこのように総括する。「間違いなく、自分にとってなくてはならない1年となりました。海外に出てコーチングをすることは、これからも自分の夢としてあり続けます。これからもヨルダンでの経験を忘れずに頑張り続けていきたいです」
日本では直面しない様々な困難もあったからこそ、指導者としても、一人の人間としても大きく成長することができた。その経験は、必ず代表チームにとっても助けになるはずだ。
