東アジア選手権が開幕、日本代表は韓国の若さと積極性に苦戦するも、最後は富樫勇樹に託した『一発』で勝利をつかみ取る

東アジア選手権が開幕、日本代表は韓国の若さと積極性に苦戦するも、最後は富樫勇樹に託した『一発』で勝利をつかみ取る

2017/06/03

文=鈴木健一郎 写真=小永吉陽子、FIBA.com

富樫を中心とした攻め、1対1に強い堅守が噛み合う

東アジア選手権の初戦となる韓国戦が、長野県長野市のホワイトリング(真島総合スポーツアリーナ)で行われた。

ルカ・パヴィチェヴィッチ率いる日本代表は、富樫勇樹、比江島慎、小野龍猛、アイラ・ブラウン、太田敦也が先発。韓国の選手がリバウンドを奪った瞬間、そこを狙っていた富樫がスティールしてシュートを沈めて日本が先制。スクリーンプレーからフリーになった比江島の3ポイントシュート、アイラの速攻など9-0のランで主導権を握った。

早めに選手交代をする日本、セカンドユニットになって相手のゾーンディフェンスに遭いリズムが狂うも、ゾーンの弱点を突く橋本竜馬の3ポイントシュート、リバウンドからすぐさまロングパスを通しての馬場雄大の速攻が決まり、20-9と早々に2桁のリードを奪う。

初代表6選手を含む若いチームでこの大会に臨んだ韓国。立ち上がりは連携に戸惑う場面が見られ、攻守ともに日本に圧倒された。それでも第1クォーターの終盤、ゴール下の堅守を崩すのが困難だと判断してミドルシュート主体に切り替え、早いタイミングでチャンスがあれば積極的に打ち、リバウンドでもハッスルして立ち直る。第1クォーターを5点ビハインドでまとめると、第2クォーターにも引き続き果敢なプレーを続け、日本に食らい付く。

ルカコーチが入念に準備したピック&ロールからの崩しはさほど機能しなかった。スクリーンプレーでズレを作ろうとする日本に対し、韓国はマークを受け渡すスイッチをするにしても、受け渡さずファイトオーバーするにしても迷いがなく、日本以上に足を使って食らい付いた。出だしからシュートタッチが悪かったが、オフェンスリバウンドは前半で10-3と圧倒。こうして韓国はセカンドチャンスを生かし、接戦に持ち込んだ。

粘る韓国、最後の攻撃で『若さ』を露呈して力尽きる

37-33とリードして迎えた後半、日本は富樫を中心に技巧的なバスケを展開。素早くボールを動かしてゴール下でのイージーシュートのチャンスを作り出す。また守備では1対1での対応で抜かせず、インサイドにボールを運ばせない。シュートタッチの悪い韓国が狙う外からシュートにもしっかりチェックに行き、得点を許さなかった。

残り5分21秒でアイラの3ポイントシュートが決まり47-37、残り4分40秒では馬場がスティールからそのまま速攻に持ち込んで獲得したフリースローを決めて50-40と2桁のリードを奪うも、そこから突き放すことができない。若い韓国は技術や連携では見るべきものがあまりなかったが、運動量と積極性では日本を上回る。第3クォーター終了のブザーとともに3ポイントシュートを決められ、58-56と1ポゼッション差に詰め寄られて最終クォーターを迎えた。

第4クォーターは追いつ追われつの展開で、何度も1ポゼッション差に詰め寄られるが、経験で上回る日本代表はここで勝負強さを発揮する。小野からインサイドに飛び込む竹内譲次への合わせ、ショットクロックぎりぎりでの富樫のフローター、比江島のタフな3ポイントシュート、オフェンスリバウンドを取っての竹内公輔のバスケット・カウントなど、素晴らしいオフェンスでリードを保ち続ける。

それでも韓国の粘りも強烈で、残り1分30秒で3ポイントシュートを決められ1点差。全く余裕のない状況に追い込まれた。

ここで日本はタイムアウトを取って戦術を確認。パヴィチェヴィッチが選択したのは富樫のアイソレーションだった。ここまで正確なパスワークで攻撃を組み立てるとともに、シュートも高確率で決めていた富樫は、ボールを預けられると左右のドリブルでマークする相手を揺さぶる。スピードを警戒して相手が飛び込んでこないと判断して放ったジャンプシュートが決まり、これで75-73。富樫は2点シュートを9本中6本決める活躍でベンチに下がった。

残り40秒、韓国もタイムアウトを使って攻撃を仕込むが、再開のスローインをアイラが手を伸ばしてカット。韓国にとっては痛恨のターンオーバー。日本はこの後のファウルゲームを乗り切り、78-72で勝利した。

殊勲の得点を挙げた富樫「チームのためにやろうと」

出場国の力関係を見た場合、今回の韓国戦は勝てばグループAの首位になれる大事な試合。相手はフルメンバーには程遠かったが、情報がない中で戦わなければいけない苦労があった。また、日本代表の選手たちはBリーグの長いシーズンを戦い終えたばかりで、コンディション的には非常に難しい状況にあった。

それでも十分なパフォーマンスを発揮し、勝利を挙げたことを指揮官のルカ・パヴィチェヴィッチは素直に喜び、こう語っている。「我々は安定したプレーをしてプレッシャーをかけて、代表に求められるフィジカル面、細かい一つひとつのプレーを出せたと思う。選手たちを称えたいし、準決勝や決勝を含めた戦いに向けて準備をしてほしい」

Bリーグになって試合数が増える中で、月に一度集まっての代表合宿もこなしてきたメンバーに、指揮官は盤石の信頼を寄せている。次戦以降に向けて「選手たちの頑張りが報われる試合ができれば」とコメントした。

そして、チームハイの12得点を記録し、接戦に終止符を打つ得点を挙げた富樫は、最後のプレーをこう振り返る。「その前にフローターを外してしまっていたので。ルカヘッドコーチが自分のためのプレーをボードに描いてくれた。チームのためにやろうと。入って良かったです」

明日も15時からマカオ戦。マカオは完全な格下だけに、タイムシェアしてコンディション調整しつつ確実に勝ちたいところ。2連勝となればグループ1位通過で、グループBの2位チームと準決勝で対戦することになる。

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