ジミー・バトラー

「試合を通じて見ているものを教えようとしている」

シーズン開幕戦で勝つのは良いものだ。それがホームゲームならなお良い。ステフィン・カリーとジミー・バトラーの元気な姿も喜ばしいニュースだ。しかし、ウォリアーズがレイカーズに119-109で勝ったこの試合での一番の朗報は、ジョナサン・クミンガが素晴らしいパフォーマンスを見せたことだろう。

制限付きフリーエージェントのクミンガは契約延長交渉がまとまらず、開幕直前まで問題が長引いたことでチームへの合流は遅れた。開幕時点で心身の準備が整っているかが懸念されたが、先発起用を受けて33分出場、17得点9リバウンド6アシストと結果を残した。

前半はフィールドゴール6本中1本成功の4得点と、シュートタッチはいまいちだった。それでもルカ・ドンチッチを長時間マークし、リバウンドでも奮闘して、文字通り『チームに貢献できるなら何でもする』の姿勢を示した。そして第3クォーターに5本のシュートをすべて決めて13得点を挙げ、この第3クォーターにウォリアーズはレイカーズを突き放し、そのまま勝利するに至る。

ベテランを重用し、若いクミンガに全幅の信頼を置こうとしなかった指揮官スティーブ・カーも、この日ばかりは「本当に成長した」とクミンガを称え、「ジミー・バトラーが彼を助けてくれている」と付け足した。

クミンガ自身も、練習だけでなくその前後もバトラーと過ごす時間が多いことを明かす。「僕はスポンジのように何もかも吸収するつもりだ。毎日ジミーのところに行き、彼の知識や経験を吸収しようとしている。かつての彼は、今の僕と同じ立場にいた。プレースタイルも似ている部分があると思う」

バトラーは「僕はただJK(クミンガ)が偉大な選手へと成長するのを助けたいだけだ」と語る。「アグレッシブで運動能力が高く、賢い。そんな彼に、僕が試合を通じて見ているものを教えようとしている。別に僕だけじゃなく、このチームの全員が彼の背中を押しているし、僕は『遠慮せずに自分の意見を言え』と言っている。今日みたいにアグレッシブにプレーすれば、きっと上手くいく。今日のスタッツはすごい。特に6アシストは驚異的だ。JKがこの調子を維持できれば、このチームにとって本当に大きな戦力になる」

そしてバトラーは、自分が若手だった頃に指南役となってくれたベテランの名前を挙げた。「まずはルオル・デン。それにロニー・ブリュワーとカーク・ハインリック、デリック・ローズも僕の味方だった。ディフェンスで相手を止める、トランジションで飛び出す、オフェンスリバウンドを取る、フリースローをもらう。そういったことは彼らから教わった。これは毎試合確実に15得点するための最も簡単な方法だ」

「ただし、一番の教えは若手が試合に影響を与えるにはディフェンスだということだ。若い頃の僕は、相手のベストプレーヤーを守れるかどうかで評価が大きく変わった。今のJKにも同じことが言えるだろうね」

オフを通してずっと契約問題に揺れたクミンガを取り巻く状況について、昨シーズンを通して『ジミー・バトラー問題』でNBAを騒がせたバトラーは涼しい顔でこう言う。「言わせておけばいいのさ。僕らはプレーで語る。僕らはみんなJKの成功を願っている。嘘じゃないし冗談でもない。契約問題がどうなるにせよ、彼は残留しただろうし、僕らは彼を偉大な選手へと押し上げるつもりだよ」