ステフィン・カリー

「悔しさは自分自身を奮い立たせるモチベーションに」

NBAの2025-26シーズンが始まるにあたり、ウォリアーズにどれだけの期待を寄せていいのだろうか。この10年間ずっとそうだったように、ステフィン・カリーがいる時点で平凡なチームにはならない。しかし、チームには経年劣化の兆候があり、カリーは37歳になった今もトップパフォーマンスを維持しているが、チームの問題すべてを解決できるわけではない。

本来であればチームに新陳代謝が起き、カリーの負担を軽減することで優勝への期待値を保ちつつ、次のサイクルの準備をするべきだが、このチームで新しい才能は生まれない。今シーズンも37歳のカリー、36歳のジミー・バトラー、35歳のドレイモンド・グリーンが頼みの綱だ。

それでも、昨シーズンはプレーオフに進出し、ファーストラウンドで新進気鋭のロケッツを撃破。プレーオフでは経験とスターパワーがモノを言うことを改めて実証した。頼れるベテランが健在であれば、ウォリアーズは今もトップレベルで戦える。他ならぬカリーがその自信と責任を背負い、新しいシーズンに臨もうとしている。

「調子はすごく良いよ」とカリーは快活な笑顔で語る。「この競技を愛し、この組織の素晴らしい人たちに囲まれ、勝利を最優先にひたすら努力をし続けている。願わくばあと数年、この状況にいられることを願っている」

昨シーズンのプレーオフでは、ロケッツに競り勝ったものの、カリーはセカンドラウンドの初戦でハムストリングを痛めて戦線離脱。チームは1勝4敗でティンバーウルブズに屈した。

「その失望はまだ乗り越えられていない。どうしても『あそこでケガをしていなければ』とか『もう1つ勝って僕の復帰が間に合っていれば』と考えてしまう。それは選手なら当然のことだし、自分自身を奮い立たせるモチベーションになる。だから、悔しさを忘れないのは良いことなんだ」

カリーはそう語り、笑顔とともにこう続けた。「82試合のシーズンを乗り切って、どうプレーオフへと繋ぐか。僕らのようなベテランチームにとってはすごく大事なことだ。昨シーズン、僕がケガをするまでのウォリアーズは、どのチームにとっても脅威だった。その勢いを継続させたい」

「毎年この場で同じことを言うけど、新しいシーズンを迎えるにあたってできることは、自分のメンタリティをコントロールすることだけ。このチームの雰囲気はすごくポジティブだ。僕に残された時間はそう長くない。それは分かっている。だからこそ、今は目の前にあるものすべてに全力を尽くすことだけを考えるよ」