帰化選手のエヴァンス獲得で幅が広がる

昨シーズンは歴代最高勝率となる57勝3敗でB2プレーオフに進出。セミファイナルで信州ブレイブウォリアーズを下し、3度目の正直で悲願のB1昇格を果たした。ファイナルは第3戦が不成立で富山グラウジーズとのダブル優勝に輝き、完全優勝でB1へと殴り込む。B2で最強を誇った戦力に対する自信の表れか、退団になったのは鶴田美勇士と小林大祐(昨シーズンは横浜エクセレンスへレンタル移籍)の2選手のみで、大部分の選手は継続となった。ただ、昨シーズン使用しなかった帰化枠&アジア特別枠には島根スサノオマジックからエヴァンス ルークを補強。島根では3番起用でビッグラインナップの時間帯も長かったエヴァンスを獲得したことで、チームスタイルの幅が広がりそうだ。

U22世代を代表する日本人ビッグマンの渡邉伶音も急遽加入。B2で他を寄せ付けない強さを誇っていたA千葉が、継続性や一貫性を重視してB1でどれだけ勝ち星を増やせるかに注目が集まる。クラブ創設から指揮をとるオーストラリア人ヘッドコーチのアンドレ・レマニスのもと、満を持してB1に挑戦だ。

スタッツ

予想スタメン

※掲載内容は9月29日時点のもの

チーム創設時から、2ポイントシュートの得点割合が非常に高く、セカンドチャンスポイントやペイント内で着実に得点を重ねるバスケを展開。昨シーズンは、ファストブレイクポイントもB2で2番目に高く、トランジションでイージーバスケットを量産していた。カテゴリーが変わってもこのスタイルを徹底できるかがカギとなるだろう。ベースとなるディフェンスやリバウンドに対する意識が高い選手が集まっているため、B1強豪クラブにも引けを取らないチーム力を発揮するに違いない。

所属選手一覧

※掲載内容は9月29日時点のもの

【キープレーヤー】

黒川虎徹
ルーキーシーズンとなった昨シーズンは、セカンドユニットのガードとしてチームを支え、平均8.4得点、3.6アシストを記録。さらにプレーオフでは、平均15.5得点、5.0アシストと大活躍してMVPを獲得し、勝負強さを証明した。自身の得点能力はもちろんのこと、プレーメーカーとしてのさらなる進化に大きな期待が寄せられる。

【若手選手】

渡邉伶音
高校3年次の昨シーズンに特別指定選手として加入したが、多くの活躍の機会を得るに至らなかった。大学進学を選択したものの、3ヵ月で退学しプロ転向を決断。7月には日本代表デビューを果たした彼の将来性は無限大だ。アウトサイドシュートも打てるため、どのような起用方法になるかも注目だ。

【新加入選手】

エヴァンス ルーク
昨シーズン、島根で58試合中55試合で先発出場し、平均10.0得点、6.5リバウンド、2.0アシストとオールラウンドな活躍を見せた。走力や3ポイントシュートもあるため、大きなアドバンテージを得ることができるだろう。外国籍3選手の負担を減らすことができ、同時起用も可能なルークはチームにとってこれ以上ない補強選手だ。