B1で実績ある選手を揃えて、強力なロスターが完成

昨シーズンは、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のプレドラッグ・クルニッチを指揮官に招聘し、外国籍選手も総替えして臨んだものの、11月から9連敗を喫するなど思うように噛み合わず。2月にクルニッチを解任し、プレーオフ進出に一縷の望みをかけてアシスタントコーチだった東頭俊典がチームを引き継ぐと、そこから13勝6敗の快進撃を見せた。最終節までプレーオフ進出の可能性を残したものの一歩およばず、25勝35敗の西地区6位でシーズンを終えた。

例年は手堅い補強をする印象が強い神戸だが、今オフは大きな動きを見せた。まずは長らくファイティングイーグルス名古屋を指揮した川辺泰三を新ヘッドコーチに招き、再度チームビルディングを図る。日本人の新加入選手も、木村圭吾、寺園脩斗、笹倉怜寿、八村阿蓮といずれも実力ある選手たちが揃った。

外国籍選手は、昨シーズン途中加入で中心を担ったアイザック・バッツに加え、佐賀バルーナーズからヨーリ・チャイルズを獲得し、強固なインサイド陣を形成。さらにNBAでキャリアをスタートさせて、近年はGリーグやヨーロッパでプレーしていたウィングのラウル・アルキンズも加入した。来年秋よりスタートする『Bリーグプレミア』を見据えて、B2優勝が至上命題と言えるシーズンをどう戦うか注目だ。

スタッツ

予想スタメン

「堅守速攻」を体現できるかがカギ。昨シーズンは比較的2ポイントシュートの試投割合が高いチームだったが、3ポイントシュートが得意な選手も多いため増加が見込める。リバウンド力も強化したため、シューターはより思い切り打てるだろう。新加入選手たちの注目度は高いが、フランチャイズプレーヤー・谷直樹と道原紀晃のここぞの場面での活躍にも注目したい。選手たちの個性を巧みにかけあわせ、チーム力を最大化させてきた川辺新ヘッドコーチの手腕に期待だ。

所属選手一覧

【キープレーヤー】

寺園脩斗
4シーズン所属したレバンガ北海道を離れ、初めてB2の舞台へ。圧倒的なスピードと高確率なアウトサイドシュートで、昨シーズンは11.5得点、4.5アシストと活躍した。コート上の活躍はもちろんのこと、チームリーダーとして牽引することが望まれる。試合終盤での勝負強さを発揮して、チームを勝利に導けるか。

【若手選手】

野溝利一
特別指定選手として昨年末に加入し、32得点を挙げるなどインパクトを残したルーキー。ジーライオンアリーナ神戸での初試合でクラッチシュートを決めて一躍有名になった。激しいディフェンスと当たり出したら止まらない3ポイントシュートが武器。同じポジションの寺園と笹倉から多くのことを学び、ガードとしてよりステップアップできるか注目だ。

【新加入選手】

ヨーリ・チャイルズ
昨シーズン、佐賀で17.3得点、9.5リバウンド、2.9アシスト、1.1スティール、0.6ブロックと大活躍。ケガ人が相次ぎ、シーズンを通じてロスターが揃わなかったチームを獅子奮迅のプレーで牽引した。昨シーズンはB1で最も多くペイント内の得点を決めており、インサイドでの強さは証明済み。ハンドラーが多いロスターのため、スクリーナーとしても期待が大きい。