小坂悠陽

「パスで繋いで速く攻める新田のバスケができた」

7月27日、インターハイ2025が開幕した。男子の会場となったジップアリーナ岡山では、1回戦で新田(愛媛県)が県立富山商業(富山県)を91-59で上回り、初戦快勝を収めた。

新田で際立った活躍を見せたのは、ゲームハイの22得点に加えて7リバウンド2アシスト2スティール1ブロックを記録した小坂悠陽だ。他のスタメンはすべて3年生だが、小坂だけはこの春に入学した新入生。それでも玉井剛コーチが「一番ボールを落ち着かせられる選手で、使わない理由がない」と評価する小坂は、キャプテンの井上海里とバックコートコンビを組み、初めてのインターハイでも臆することなく自分の力を出し切った。

緊張してもおかしくない舞台だが、小坂は「中学時代にユースで活動していて、大きい舞台は経験しているので、慣れていました」と語る。レバンガ北海道U15の主力としてBリーグのU15CHAMPIONSHIPやJr.ウインターカップを戦った経験がここで生きた。

「パスで繋いで速いスピードで攻める新田のバスケができて、後半からはリードを広げることもできたので良かったと思います。個人的にも得意としている3ポイントシュートを決めることもできたし、ディフェンスも相手の7番を上手く抑えられたと思います」

第1クォーターは県立富山商業に23-18とリードを許した。新田のエクストラパスを狙っての速攻から3ポイントシュートを思い切り良く打っては決めていたのが7番の松田禅生選手。これに対し新田は3-2のゾーンで3ポイントシュートをケアし、小坂は相手のエースを粘り強く当たり、タフショットを打たせることでリズムを狂わせた。

得意の3ポイントシュートは4本中3本と高確率で決めた。その中でも第3クォーターの終盤に決めたダメ押しの一発は、右コーナーへと全速力で駆け上がり、身体が流れながらもしっかりリングを見据えて打ち切ったもの。「あれが今日一番のシュートでした」と小坂は笑った。

幸先良く全国初勝利を挙げたが、明日の相手は去年のウインターカップ王者で、今大会でも優勝候補の福岡大学附属大濠だ。それでも小坂に臆すところはない。「あこがれもあるんですけど、思い切りチャレンジするつもりです。チームとしてのオフェンスをしっかり成立させて、新田らしいバスケを見せたいです」