大ケガから復帰するアイザイア・ジャクソンに期待
ペイサーズのフロントは、キャリア10年間を通して移籍の噂がありながらチームに残ったマイルズ・ターナーは移籍しないと楽観視していたのかもしれない。あるいはラグジュアリータックスの支払いが許されない状況で、彼の残留を早々にあきらめていたのだろうか。
いずれにしても、勝てない時期を支えてNBAファイナル進出を果たしたオフに、フリーエージェントとなったターナーはバックスへの移籍を選択した。バックスの提示した4年1億700万ドル(約160億円)に対し、ペイサーズのオファーは契約年数も金額も劣るものだったと言われている。
かくして先発センターを失ったペイサーズは、2巡目指名権と2巡目指名交換権とのトレードで、グリズリーズからジェイ・ハフを獲得した。216cmの高さを持つハフは、キャリア4年目の昨シーズンにグリズリーズでブレイク。過去、レイカーズ、ウィザーズ、ナゲッツ、グリズリーズと2ウェイ契約でプレーしてきて、昨シーズンに初めて4年1000万ドル(約15億円)の契約を勝ち取った。
昨シーズンは3番手のセンターでありながら64試合に出場、11.7分のプレータイムを得て6.9得点、2.0リバウンドを記録した。3ポイントシュートは3.1本放って1.3本成功と、40.5%と高確率で決めている。サイズを生かしたリムプロテクト能力、3ポイントシュートを打ててコートを広げることができるプレースタイルはターナーと共通しており、ターナーの抜けた穴を埋める戦力として期待される。
しかし、ペイサーズの先発センターを10年務めたターナーと、27歳で初めてNBAに定着した遅咲きのハフでは比較にならない。昨年11月にアキレス腱を断裂して昨シーズンは5試合出場に終わったアイザイア・ジャクソンが復帰する予定で、彼が万全のコンディションを取り戻せば、プレーオフで控えセンターとして渋い働きを見せたトニー・ブラッドリーとハフを含めた3人でセンターを回すことになりそうだ。
一方、ハフを放出したグリズリーズも、今オフはジャレン・ジャクソンJr.が爪先を、ザック・イディーが足首を手術しており、センターのポジションが盤石とは言えない。それでも新たな指揮官であるトゥオマス・イーザロのオンボールスクリーンを軸とするバスケに対応できるセンターとして、ロケッツから解雇されていたジョック・ランデールと契約を結ぶと報じられている。