西田優大

リーダーの自覚「三河でやっていることを意識して」

7月5日、バスケ男子日本代表はオランダ代表との『日本生命カップ2025』を行い、第4クォーターに11-24と失速したことで70-78と逆転負けを喫した。

現在、日本代表は8月の『FIBAアジアカップ2025』のロスター12枠を巡る選手選考の最中。今回の試合では、ホーバスの下でのプレー経験が豊富な選手たちは流れをつかめていたが、そうでない選手は「今日は相手のプレッシャーに負けました」と指揮官が振り返るように、前から激しく当たってくるオランダの守備の圧力に屈した。

それでもホーバスは「若いメンバーには必要な経験」と、新たな選手たちのミスを成長痛として受け入れている。とはいえ、アジアカップまで約1カ月とのんびり構えてはいられず、キャプテンを務めるジョシュ・ホーキンソン、西田優大や吉井裕鷹、テーブス海に「経験ある選手がもっとリーダーシップを取ってほしい」と語る。

チームリーダーとして期待される一人が西田優大だ。西田はホーバス体制になってから多くの試合に出場し、昨年11月に行われたアジアカップ予選のモンゴル戦、グアム戦で2試合連続21得点の活躍を見せた。だが、パリオリンピックではメンバーから外れ、FIBAワールドカップ2023でも4試合で計10分の出場と大舞台での出番は少ない。

こういった過去が影響しているのか、西田本人は「代表でこれといった結果を残せていない中でもずっと呼んでもらっていました。それで立場がいきなり上になったことに不思議な感覚で臨んでしまった部分もありました」と自己評価は低く、自身が周囲を引っ張る存在だと考えていなかった。

それでも「これまでと立ち位置の違いを感じています」とメンタリティに変化は出ている。「僕や海、吉井、ジョッシュが出ている時は流れが良いですし、連携が取れていて僕としてもやりやすい部分がありました。それが新しい選手が入ってきた時に、どうエネルギーを伝染させたらいいのか難しく感じた試合でした。40分間、ずっと同じメンバーで試合することはないですし、ベテランと呼ばれる立ち位置になって、若い選手をひっぱり上げていければと今日の試合を終わって一番感じています」

今の彼は「三河でやっていることを意識してできれば」と代表でも主力の責任感と覚悟を持ってプレーする意識を高めている。また、リーダーシップを取る上で、今回のメンバーには母校である福岡大学附属大濠、東海大出身の選手が多いことを「直属の後輩はなんとなくルーツ、持っているものが同じで、僕自身が言いやすいところもあります」とポジティブにとらえている。

ホーバスは西田について「もっと声を聞きたい」と叱咤するが、これも期待の表れだ。若手の積極的な登用が予想されるアジアカップ本大会に向けたチーム作りにおいて、西田のリーダーとしてのステップアップはチームの成長に欠かせない。