ドリアン・フィニー・スミス

レイカーズは急成長株のジェイク・ラレイビアを獲得

ロケッツは過去に類を見ないほどの積極補強を見せている。ケビン・デュラントを獲得する大型トレードをまとめた後、フレッド・バンブリートとスティーブン・アダムズといったベテラン勢と再契約を結び、ジャバリ・スミスJr.には5年1億2200万ドル(約180億円)の契約延長で合意した。

そしてフリーエージェント市場解禁とともにドリアン・フィニー・スミスと4年5300万ドル(約80億円)との契約を結ぶ。フィニー・スミスは32歳の万能ディフェンダーで、ルカ・ドンチッチと長らくプレーした相性の良さも含め、レイカーズ残留が見込まれていた。しかし、契約最終年を破棄してフリーエージェントになった彼に、レイカーズには出せない長期契約をロケッツが提示。若くないロールプレーヤーに最大級の条件を出したロケッツが獲得にこぎ着けた。

さらにロケッツはホークスとの契約が満了となったクリント・カペラと3年2150万ドル(約32億円)での契約に合意。31歳になったカペラはオニエカ・オコングに先発を奪われ、ホークスがクリスタプス・ポルジンギスをトレードで獲得したこともあって居場所を失っていたが、再建を終えた古巣に5年ぶりに復帰することになった。

昨シーズンに52勝を挙げて西カンファレンス2位へと躍進したロケッツは、完全に再建を終えたと言えるが、プレーオフではファーストラウンドでウォリアーズ相手に敗退した。今オフは『プレーオフで勝てるチーム』を強く意識し、クラッチタイムに勝負強さを発揮できるデュラントを獲得。他のポジションも戦力を充実させた。特にフィニー・スミスが加わったことで、アメン・トンプソンとのペリメーターディフェンスはリーグ屈指の強さとなり、フロントコートの選手層の厚みも加え、イメイ・ユドカのコンセプトであるディフェンスで激しく粘り強く戦うスタイルが変わることなくチームが強くなると期待される。

一方、フィニー・スミスの慰留に失敗したレイカーズは、NBA3年目の昨シーズンにグリズリーズとキングスでプレーし、急成長を見せているジェイク・ラレイビアと2年1200万ドル(約18億円)で契約。実績あるフィニー・スミスの安定感には及ばないが、キャリア初のトレードがシーズン途中に行われる難しい状況でもキングスにすぐさまフィットした順応性の高さを備えた、ディフェンスでハードワークのできる『3&D』の補強となった。