ジェイレン・ブランソン

「外部で何を言われようが僕は気にしない」

ペイサーズとの第6戦を落として敗退が決まり、ジェイレン・ブランソンはひどく落胆していた。ピストンズとのファーストラウンドでは40.0分だったプレータイムはカンファレンスファイナルではレギュラーシーズンと変わらぬ35.5分まで下がっていたが、勝つために全力を尽くす彼のスタイルに変化があったわけではない。

チームが機能せず、自分の頑張りが勝利に繋がらない現実に直面する彼は、試合後の会見で「この敗北をどう受け止めるか」と問われると、しばらく言葉を探した後に「最悪、それしか言葉が出てこない」と漏らした。

カンファレンスセミファイナルに進出した昨シーズンを終えた1年前のニックスは、カール・アンソニー・タウンズとミケル・ブリッジズを獲得し、OG・アヌノビーとの契約を延長して、盤石の布陣を整えた。そこからシーズンを通して様々な課題を乗り越え、プレーオフでは前年王者のセルティックスを撃破。ニックスのカンファレンスファイナル進出は実に25年ぶりの快挙だった。

ポジティブな要素はたくさんあるが、上位のキャバリアーズ、セルティックスが早々に敗れた絶好の機会を逃したという思いが大きすぎて、ブランソンの表情は暗いままだ。

「自分たちが成し遂げたことをどう評価すべきか、今はまだ分からない。今シーズンのチーム歩みは僕にとっては楽しいものだった。多くの人から否定的に見られても、僕らは自分たちらしく努力してきた。今日ここで敗退となったのは本当に残念だけど、仲間たちを誇りに思う」

そしてチームはオフを迎える。ブランソンとタウンズ、アヌノビー、ブリッジズ、ハート、ミッチェル・ロビンソンとマイルズ・マクブライドは来シーズンも契約を残しており、この体制のまま来シーズンに挑むことが可能だ。

「このチームには自信がある。少しの疑念もない」とブランソンは言う。「今すぐ先のことを考えるのは難しいけど、勝っていたとしても次シーズンに向けての準備重要だ。このオフは自分をもっと高めるための努力を欠かさず、次は違う結果をもたらしたい。カンファレンスファイナルまでまた勝ち上がるだけでも大変だから、正しいマインドセットを持って日々を大切に過ごすことから始める」

「でも、僕はこのチームに大きな信頼を寄せている。僕らほど一生懸命にバスケに取り組んでいるチームはいない。それが自信の根拠だ。外部で何を言われようが僕は気にしない」

今シーズンのニックスが大きな成果を残したのは間違いないが、敗退が決まったと同時に、敗因が深堀りされ、戦犯探しが行われるのは間違いない。批判の矛先が最初に向かうのは、チームの責任者であるヘッドコーチのトム・シボドーだ。ペイサーズとのシリーズになってから、長いシーズンで全く試していないローテーション変更を行い、それはある程度は機能したものの、成熟度は望むべくもなかった

ヘッドコーチ交代の是非を問う声が上がるのは間違いないが、ブランソンは「彼が適切な指揮官かと問われるたび、僕は『そうだ』と答えるよ」と一蹴している。