
鹿児島レブナイズはりそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B2リーグ戦を37勝23敗のB2西地区2位で終え『りそなグループ B2 PLAYOFFS 2024-25(以下、プレーオフ)』のクォーターファイナルで信州ブレイブウォリアーズと対戦する。5月3日に迫ったB2プレーオフに向けて、現在のチーム状況や意気込みを武藤修平に聞いた。
「全員が高い意識で取り組めている」
──プレーオフ進出が決まりました。レギュラーシーズンを振り返ってみていかがでしたか?
自分たちはB3から上がってきたチームなので、率直に良い結果を残せたと思っています。勝てたはずの試合を落としてしまい、西地区の優勝を逃したことは本当に悔しいですが、だからこそプレーオフに向けて全員が高い意識で取り組めています。
──その中で、課題に感じることと評価できるポイントを教えてください。
自分たちのバスケットボールの根本はディフェンスです。でも、流れが悪くなると気持ちが切れてしまったり、切り替えが上手くできなかったりことが課題でした。ディフェンスが良くない時はオフェンスにも影響していたと思います。一方で、ディフェンスからリズムを作れている時は良い試合ができていました。全員が走り切れるチームなので、得点を取られた後でもリスタートを速くして、アップテンポな展開ができた時は勝利数が上がっています。
──B2を経験している選手は多いですが、チームとしてはBリーグ初年度以来のB2の舞台でした。昨シーズンとの違いは感じましたか?
昨シーズンは、一度点差を広げてしまえば追いつかれることはなかったのですが、B2では40分間ずっとフィジカルの強度が高く、簡単に追いつかれてしまうことがありました。あらためてバスケットボールは怖いスポーツだなと感じたシーズンでした。
──今シーズンは選手の入れ替えも多く、シーズン途中には外国籍選手も代わりました。終盤にかけてチームとして成長を感じる部分は?
新しいメンバーは個々で得点できる力があるので、自分で行く場面と行かない場面を見極める判断力が上がってきました。全員がストロングポイントを理解して、よりボールをスムーズに動かすことができるようになってきました。

「弱気な姿勢は見せないで必死に食らいつく」
──鹿児島は日本人選手の出場時間が比較的長く、全員で戦っている印象があります。
運動量が落ちないのは大きな強みです。外国籍選手も、マット(ハームス)は試合によっては出場時間が伸びてしまいますが、AJ(アンソニー・ゲインズ・ジュニア)や他の選手は、もっと長くプレーしたい気持ちを自分でコントロールしている分、出た時は全力でプレーできますし、日本人選手も全員が常に試合に出る準備ができています。それで活躍できればうれしいので、良い循環に繋がっています。
──そうした戦い方では、チームのケミストリーや遂行力が大切になると思います。上手くいっている要因は何でしょうか?
チームの仲がとても良くて、最年少の飴谷(由毅)とも年齢関係なく話ができる関係が築けています。僕も積極的に声をかけるようにしていますし、「こうしてほしい」、「じゃあこうしよう」と、年齢や国籍に関係なくコミュニケーションが取れています。
──キャプテンが武藤選手だからこそ、そういう雰囲気が作れているのでは?
それは分からないですけど(笑)、意識はしています。時代の流れもあると思いますが、昔は上から言われてやるのが当たり前だったのが、今はそうじゃない部分も多いので。僕自身、そっちの方がほうがやりやすいですし、チームが勝てるのであれば、キャリアに関係なく楽しくやるに越したことはないです。チームメートにも恵まれていると感じます。
──武藤選手個人としては、出場時間も試合によって異なりますし、インサイドでもアウトサイドでのプレーも求められます。プレー中に意識していることは?
自分はサイズがあるわけでも、特別にスピードがあるわけでもないので、「気持ちだけは誰にも負けない」ことが大事だと思ってプレーしています。それを見て、チームメートがついてきてくれたらうれしいですね。求められることは多いですが、困ることがあっても弱気な姿勢は見せずに必死に食らいついています。どのポジションでもこなせるようになりたい気持ちは、バスケキャリアの中でも常に心に留めてきたので、そういった意味では楽しくプレーできています。

「どれだけ気持ちの入ったプレーを見せられるか」
──ホーム最終戦後のセレモニーで「B1昇格に挑戦できる最初で最後のチャンス」と話していましたね。
再来年からはBプレミアに移行するので、勝敗による昇降格は今回が最後になります。それに、B3からストレートで上がったチームはごくわずかなので、僕たちがその数少ないチームになれるチャンスだと思っています。このチャンスを生かすも生かさないも自分たち次第だと発破をかけたつもりです。
──昨シーズンのプレーオフと比べて、心境の違いはありますか?
昨シーズンはレギュラーシーズンの勝利数が圧倒的で、プレーオフで「最後に負けちゃったね」という感じでした。でも今シーズンはアルティーリの勝率が突出しているものの、どこが勝ってもおかしくない混戦状態です。その中に自分たちがいることはすごくうれしいですし、チャンスがあることにワクワクしています。
──クォーターファイナルはホーム開催です。ファンの応援は力になりますか?
ここ数年でファンの方の数が本当に増えました。だからこそ、淡々とプレーするのはもったいないし、期待に応えたい気持ちは強いです。アリーナを埋め尽くしてくださる方々に対して、結果を出すことが一番の恩返しだと思っています。昨シーズンは新規の方が多い印象でしたが、今年は継続して応援してくださる方が増えて、皆さんの期待値がますます上がっているのを感じたシーズンでした。
──プレーオフでは、どんなプレーを見せたいですか?
一つひとつのルーズボール、リバウンド、シュートに対して、どれだけ気持ちの入ったプレーを見せられるかを大事にしたいです。僕たちはあくまでチャレンジャーなので、点数が入らなくても、絶対に相手に得点を決めさせないような意地を持って臨みたいです。
──最後に、応援してくれるファンの皆さんへメッセージをお願いします。
日々の応援ありがとうございます。本当に最初で最後のB1昇格のチャンスです。その目標を達成するために、僕たちは死に物狂いで戦います。昇格という切符を全員でつかみに行くので、一緒に戦ってください。応援よろしくお願いします!