次戦ではジミー・バトラーとの対決も「楽しみたい」
ヒートの長かった連敗がようやく終わった。現地3月5日からの2週間で10連敗を喫した要因は、ケガ人が多く、過密日程で、ジミー・バトラーがいないことだったが、バトラーとのトレードで加入したアンドリュー・ウィギンズの42得点が連敗を止めた。
序盤はホーネッツに先行され、第2クォーター残り7分半で35-45と10点のビハインドを背負うも、その後の7分半で失点をマーク・ウィリアムズのダンク1本に抑え、22-2のビッグランで形勢逆転。10点リードで迎えた後半開始から試合終了まで攻守の強度を落とさない完勝だった。
「とにかく1勝が欲しかった。良いバスケをしても望んでいた結果が出ていなかったからね。苦しい中でも僕らは連帯を保っていて、それが今日の勝利に繋がったんだと思う」とウィギンズは言う。
ウィギンズはフィールドゴール21本中16本成功の42得点を記録。タイラー・ヒーローとプレーメークを分担しつつも、打てるチャンスがあれば思い切ってシュートを放ち、高確率で決めていった。ヒーローは「今日のウィギンズは1本も落としてないんじゃないかな。打てば全部入る感じだった」と笑顔で語った。
だが、このパフォーマンスもウィギンズに言わせれば普段のプレーの延長線上だ。「コートに立つ全員が上手く連携してプレーできた。みんなが僕を絶好のポジションに導き、最高のタイミングでパスをくれた。今日これだけシュートが決まったのは、そのおかげだよ」
ヒートの面々にとっては、長く苦しいトンネルを抜けて、ようやくホッと一息をつけた感覚だろう。ヘッドコーチのエリック・スポールストラは「このリーグで1勝を挙げるのがいかに難しいかがあらためて分かった」と言い、チームリーダーのバム・アデバヨは「苦しい時期を乗り越える一歩だ。決してあきらめなかったチームを誇りに思う」と語る。
だが、その先に待ち受けるのはジミー・バトラーだ。中1日を置いた現地25日にはウォリアーズ戦が組まれており、トレードから初めてバトラーがマイアミに舞い戻ってくる。
バトラーがヒートを出て行った経緯を考えれば、敵意を剥き出しにする一戦となることが予想される。しかし、ウィギンズはその喧騒に巻き込まれるつもりはない。
「激しい戦いにはなるだろうね。お互いに因縁はあるにせよ、楽しくて笑顔でいっぱいの試合になり、僕もそれを楽しむつもりだ。知っての通り、対戦相手は僕の古巣で、素晴らしい時間を過ごさせてもらったチームだ。チームメートもファンも最高で、僕は今でも大好きなんだ。だから、みんなに会えるのを楽しみにしているよ」