キャム・トーマス

今オフにフリーエージェントに「心配していない」

ネッツは今シーズンも23勝46敗と低迷しているが、再建中のチームにとっては想定の範囲内だ。シーズン中に主力のデニス・シュルーダーやドリアン・フィニー・スミスを若手や指名権とトレードしたことは、目先の勝利よりも将来を見据えていることを示している。

一つ残念なのは、エースのキャム・トーマスが25試合に出場しただけでシーズン終了となったことだ。トーマスはキャリア4年目を迎えているが、最初の2年はケビン・デュラントやカイリー・アービングがいるチーム内で出番を得るのに苦労した。彼らが退団した3年目には、1年目が8.5で2年目が10.6だった得点が22.5へと倍増し、ミケル・ブリッジズを超えてチームトップの数字となった。ブリッジズも放出した4年目の今シーズンは、押しも押されもせぬエースとしてチームを引っ張るはずだった。

ところが、開幕から1カ月でふくらはぎの肉離れにより戦線離脱。1カ月後に復帰するもすぐに再発させ、今月になってようやく戻って来たが、2週間後に3度目の肉離れを起こし、早々にシーズンを終えることになった。出場した試合では平均24.0得点と結果は残しているが、出場25試合では満足にはほど遠い。

トーマスにとってルーキー契約の最終年となる今シーズンは一つの集大成だっただけに、失望は大きい。それでも彼は今後について「すべてエージェントに任せているから、話すことは特にない」とコメントした。

「NBAのビジネスでは当たり前のことで、僕を必要としてくれるチームがあればいい。できればネッツでプレーしたい気持ちはあるけど、それはそれだ。契約についてはあまり心配していない。それよりもケガを治すことに集中し、プレーはできなくてもチームメートをできる限りサポートしてシーズンを終えたいと考えている」

フリーエージェントとしてのトーマスの展望は明るいとは言えない。スタッツは残しているが、キャリア平均のフィールドゴール成功率は43.9%、3ポイントシュート成功率は34.9%と効率が良いわけではなく、特に3ポイントシュートが今シーズン平均7.8本を打っているにもかかわらず成功率34.9%と低く、この4年間で成長が見られず評価を下げている。しかも今シーズンはケガでコンスタントにプレーできなかった。サラリーキャップの制限が厳しくなり、どのチームも支出を抑える今、彼に大型契約を提示するチームが現れる見込みは薄い。

ただ、キャリア序盤に出番確保に苦労したトーマスは、自分の能力を信じ、出場機会を与えてくれるチームに所属することを一番に考えている。その点ではネッツ残留が一番確実な道だ。「僕はプレータイムさえ得られれば、リーグで最高のガードの一人になれると感じている。それをこの数年で示してきたつもりだ。ここでドラフトされてからの4年間で築いた繋がりには意味があると思っている。何が起きても受け入れるし、それはエージェントとフロントの話し合いに託すけど、もし残留できるならうれしいよ」