タイリース・ハリバートン

試合終了間際の4点プレーで逆転勝利に導く

ペイサーズは現地11日、ホームでバックス戦と対戦。タイリース・ハリバートンの劇的シュートにより115-114で逆転勝ちを収めた。

試合は序盤から僅差で推移し、ペイサーズは第4クォーター序盤にリードを2桁にまで広げるも、オープンショットを決めきれないなどここからオフェンスが停滞。バックスに徐々に追い上げられると、残り1分にはついに逆転を許してしまう。

しかし、ペイサーズは残り3.9秒、3点ビハインドで迎えたサイドラインからのプレーで、ハリバートンがヤニス・アデトクンボのファウルを受けながら3ポイントシュートを決める起死回生のビッグプレーを成功させる。続くフリースローもしっかり決めて激闘に終止符を打った。

この試合の前まで、ペイサーズはホークスとの連戦に敗れるなど3連敗中。それだけに、今回の勝利は悪い流れを断ち切る意味でも大きな価値がある。

ゲームウィナーを沈めたハリバートンは終盤にオープンスリーを外し、トラベリングのターンオーバーを犯した。試合全体でもフィールドゴール12本中5本成功の14得点とシュートタッチが良くなかった。それでも最後にクラッチシュートを決め、エースの貫禄を示した。

最後の一撃はハリバートンがななめに走ってパスをもらい、そのままシュートを放つプレーだった。このプレーについてハリバートンは「「2年前のキャンプで最初に取り入れて、その時は決めることができた。ただ、それ以降、僕は決めていなかったんだ」と振り返り、最初は乗り気でなかったと明かす。

「あのプレーをやるのは嫌だったんだ。あの形で、これまでパスをもらえたことがなかったからね。だからコーチにパスをもらう場所を、手前ではなく逆サイドにしたいとコーチに確認したけど『ノー。指示した通りにプレーしてくれ』って感じで言われた。そして、マイルズ(ターナー)が素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、相手を混乱させてオープンでパスをもらい、シュートを決めることができた」

タイリース・ハリバートン

「誰も僕のDXシューズについて聞かないの?」

今回、会場にはペイサーズOBで、NBA史上に残るクラッチシューターとして名を馳せたレジー・ミラーがいた。現役時代のミラーを彷彿とさせるビッグショットを本人の前で決められたことに、ハリバートンは「最高の気分だね」と語り、レジェンドへの敬意を続ける。

「僕たちは素晴らしい関係を築いていて、彼から本当に学んでいる。ペイサーズに加入してから僕たちはよく話している。この建物にはレジーが活躍した場面がたくさんある。今、僕も自分が活躍した場面を作ろうとしているところだ。この組織の代表であることは、多くの偉大な選手たちの足跡をたどるということだ。子供やファンがレジーを尊敬していたのと同じように、僕も自分の場面を作って尊敬されたい」

最後に余談だが、この試合でハリバートンは、何度か番組に出演するほど大好きな世界最大のプロレス団体『WWE』をモチーフにしたカスタムシューズを着用した。『Puma All-Pro NITRO PE “DX”』という名称の『DX』は、WWEでかつて活躍した人気ユニット『D-ジェネレーションX』のこと。同ユニットの決めポーズは、股間のあたりで手を交差させXの文字を作るものだ。

会見の最後、ハリバートンは自ら「誰も僕のDXシューズについて聞かないの?」と問いかけた。そして最後のビッグショットを決めた後、「DXのポーズをしようと思ったけど、罰金をくらいたくなかったんだ。でも今は、やるべきだったと思う。せっかくのチャンスを逃してしまったよ」と語り、笑いを誘った。