ビクター・ウェンバニャマ

エバン・モーブリーとドノバン・ミッチェルが優勝

NBAオールスターのサタデー・ナイト、『スキルズチャレンジ』で事件が起きた。パスやドリブル、シュートのスキルを組み合わせ、2人のリレーでタイムを競うこのチャレンジに登場したクリス・ポールとビクター・ウェンバニャマのスパーズ・コンビは、2人揃って3ポイントシュート、フリースローをまともに打たなかった。

シュートは決まれば次に進めるもので、3本狙って決まらなければそのまま次に進むことができる。2人はこのルールを逆手に取り、シュートを打たずに適当にボールを放り出すことで時間短縮を図った。会場が唖然とする中で2人は好タイムを叩き出して満面の笑みを見せたが、どのチームも同じことをやればチャレンジは成立しない。レギュレーション違反が通達されて彼らは失格になった。

折角の『秘策』が失格扱いとされて2人は不満気な表情を隠そうとしなかった。コンテスト終了後のウェンバニャマは、「後悔はしていないよ。ベストタイムを出すにはあの方法だと思ったからね」と語る。あれは誰のアイデアかと問われて「僕の」と答えたが、実際は百戦錬磨の策略家、クリス・ポールによるものだろう。

決勝に進出したのはエバン・モーブリーとドノバン・ミッチェルのキャブズ・コンビと、モーゼス・ムーディーとドレイモンド・グリーンのウォリアーズ・コンビ。先行したキャブズのタイムを上回るべく、地元ファンの声援に後押しされたウォリアーズがチャレンジに挑む。ムーディーがドライブのスピードもシュートも好調でグリーンに繋ぐ。グリーンも勢い良くスタートしたが、気合いが空回りしてしまいシュートが決まらず、キャブズ・コンビのタイムを上回るには至らなかった。

オールスターに選ばれた時点で「大会を最大限に楽しむため」コンテスト出場を即決したミッチェルとモーブリー。3ポイントコンテストに出場したダリアス・ガーランドも含めて、仲間とともに参加するオールスターを全力で楽しんでいる。