髙田将吾

前半の厳しい時間帯に攻守で奮闘、16得点8リバウンド

ウインターカップ2024、福岡大学附属大濠は決勝で鳥取城北に77-57で勝利し、昨年の決勝で敗れたリベンジを果たした。

最終的には20点の大差がついたが、前半の大濠は出だしこそ12-4のランに成功したものの、そこからは鳥取城北にトランジションからの得点を続けて許すなど反撃に遭う。だが、この悪い流れの中でも持ち堪えられた大きな要因が、髙田将吾の攻守に渡るハッスルプレーだった

特にオフェンスでは積極的なドライブから確率良くシュートを決めることで、鳥取城北の勢いを断ち切った。高田の活躍があったからこそ大濠は劣勢での傷口を最小限に抑えることができ、第2クォーター終盤の連続得点により10点リードでハーフタイムを迎えることができた。

キャプテンの湧川裕斗、日本代表の渡邉伶音とともに髙田は下級生の時からコートに立ってきた中心選手だ。そして今大会でも準決勝の東山戦では世代屈指のスコアラーである瀬川琉久を抑え込む大仕事をやってのけ、さらに12得点10リバウンド2アシスト2スティールを記録。また、決勝でも16得点8リバウンド3スティールと、大舞台でしっかりと仕事を果たした。

しかし、髙田の背番号14は大濠のエースナンバーであり、その重みを誰よりも理解しているからこそ、外から見れば及第点のオフェンスを見せながら「ウインターカップを通して調子が上がらずに苦しかったです。得点も取れなくて(初戦の)日本航空戦からずっと悩んでいました」と自分を責め続けてきた。

ただ、苦しみながらも髙田は意気消沈するのではなく、自分のコントロールできることにしっかりとフォーカスしてチームを支え、決勝では今大会ベストのプレーを見せた。髙田はこう振り返る。

「準々決勝では十返翔里選手、準決勝では瀬川琉久選手、今日だったら新谷勇晴選手のマークと、点を取れない時こそ相手のエースを止めることで流れを持ってこられたと思います。また、試合に臨むマインドやチームのための発言を疎かにしませんでした。決勝ではそれまでの4試合に比べたら自分のプレーができて良かったです」

髙田将吾

「今までのバスケット人生の中で一番良い1年間に」

昨年、悔し涙を流した決勝の舞台で歓喜の涙を流せたことへの思いを「インターハイで負けて悔しい思いをしました。そこから自分たちはどのチームよりも質の良い練習をしてきたと思っていて、やってきたことが報われました」と語る。

右膝の手術から始まり、多くの困難を乗り越えて有終の美を飾った今シーズンを「今年は初めにケガをして手術から始まりましたが、復帰した時に裕斗や伶音に頼らず、自分も得点の部分でもっと貢献したいと3ポイントシュートやジャンパーの確率、ドライブの強さを磨いてきました。今までのバスケット人生の中で一番良い1年間になったと思います」と総括する。

髙田の次のステージは大学となる。攻守でよりハイレベルな2ウェイプレーヤーになるための意気込みをこう語る。「この3年間で成長した部分、3ポイントシュートやディフェンスの部分の質をもっと上げてきたいです。そしてスコアラーになるため、プレーメークの部分や得点のバリエーションを増やしていきたいです」

また、これまでU16、U18と世代別の代表経験のある髙田は、「バスケットしている限り、目指すところはA代表です。今の実力では絶対に無理だと思うので大学4年間でもっと成長して、代表レベルの選手になりたいです」とフル代表への野望も隠さない。

そして奥田中の先輩である八村塁や馬場雄大と、一緒に日の丸を背負ってプレーしたいと語る。「中学校時代、坂本穣治コーチから八村選手や馬場選手のいろいろな話を聞きました。だから身近ではないですけど身近に感じるところもある存在です(笑)。先輩と一緒にプレーしてみたい気持ちはあります」

髙田本人として今大会のパフォーマンスは満足のいくものではなかった。だが、タレント集団の大濠においても、最も攻守でバランスの取れたプレーを見せていたのは間違いない。八村や馬場と代表で共闘できる次代を担う2ウェイプレーヤーになれる素質の持ち主であることをはっきりと示した。