髙田将吾「今回は勝って決勝に進むことができた」
ウインターカップ2024男子準決勝、福岡大学附属大濠vs東山は立ち上がりから激しいディフェンスとリバウンドで流れをつかんだ大濠が優位に試合を進め、前半で46-29のリードを奪い、第3クォーターを21-9と圧倒。インターハイ王者の東山に対して84-58の完勝を収めた。
東山のエースにして世代を代表するタレントである瀬川琉久は大濠のディフェンスに13得点に抑え込まれた。そのうち9得点は、すでに勝敗の定まったラスト3分でのもの。それまではフィールドゴール21本中成功わずか2本、4得点と大濠が完全に抑え込んだ形だ。
瀬川のマークを担当したのは髙田将吾であり、勝又絆であり、シックスマンの見竹怜。誰が出ても瀬川から目を離すことなく、ピック&ロールにファイトオーバーし、スイッチを強いられれば渡邉伶音が粘り強く貼り付いた。こうして瀬川を封じ、ピック&ロールから佐藤凪への展開も抑え込んで、さらにはリバウンドでも東山以上の強度を出し続けた大濠の試合運びは完璧だった。
「マークにつく僕らも良い頑張りができましたし、伶音もスイッチに上手く対応してくれました」と語るのは髙田将吾だ。その髙田には、この大一番で勝ちたいという気持ちとともに、瀬川への対抗心もあった。
「僕は中3のJr.ウインターカップで彼に負けて、そこで引退させられています。今回はウインターカップの準決勝で、自分で勝手にですけど『ここは絶対に負けられない!』と思っていました。今回は勝って決勝に進むことができて良かったです」
見竹怜「心理戦に持ち込むことを意識していました」
シックスマンの見竹も、瀬川を徹底したマークで抑え込み、それだけでなく攻めに転じれば抜け目なくアタックして13得点を挙げた。特に第1クォーター、開始3分と早い時間帯に投入されると、瀬川のマークにリバウンド、得点とハッスルしてチームに活力を与え、大濠の流れを作り出している。
「東山は昨日タフなゲームをやっていて、自分たちはまだ足に余裕があるはずだったので、最初の3分でとにかく走っていこうとチームで話していました」と見竹は言う。
瀬川へのマークについて「簡単に取りに行けばドライブが上手いのでかわされるし、空ければシュートを打たれるので、僕としては心理戦に持ち込むことを意識していました」と振り返る。ほどよい距離感を意識して、無理にボールを奪いに行くよりも自由を与えないことを優先。その上で「瀬川選手が来そうな時にはしっかり守るし、瀬川選手が休んでいる時には自分も休むように、オンとオフを意識して、上手くファウルを使って止めることもできました」と自画自賛のパフォーマンスを見せた。
こうして大濠は、日本航空との初戦から常に良い試合を重ね、余力を残しながらファイナルまで勝ち上がってきた。しかし、そこに油断や慢心はない。髙田は「チームの出来は良いんですけど、自分自身の出来は今大会全然上がってきていません。最後は納得のいくプレーがしたいです」と意気込む。
そして見竹もこう語る。「チームの力に自信は持っていますけど、それで足元をすくわれることがないように。ここで浮かれていたら優勝には手が届かないと思います。最後まで気を引き締めて戦うよう、チームに声がけもしていきます」
ウインターカップ男子決勝、福岡大学附属大濠vs鳥取城北は明日12時から行われる。