並里成

文・写真=鈴木栄一

並里が16得点、岸本が19得点とガード陣が活躍

4月6日、琉球ゴールデンキングスがホームで京都ハンナリーズと対戦。試合終了直前までどちらが勝つか分からない激闘となったが、並里成が決勝シュートを含む16得点5アシスト、岸本隆一が3ポイントシュート7本中5本成功の19得点と、持ち味であるガード陣の活躍によって82-76とふりきった。

第1クォーター、京都は3月17日の栃木ブレックス戦で脳震盪により負傷退場して以来の出場となる伊藤達哉が、いつも通りのスピード溢れるアタックを披露。琉球はジェフ・エアーズを中心にバランスの取れた攻めで応戦する。

第2クォーターに入ると琉球は、このクォーターで3ポイントシュート3本中3本成功を決めた岸本を筆頭に、チーム全体でも高確率でシュートを決めるが、凡ミスも出て得点が伸びない。京都はジュリアン・マブンガ、デイヴィッド・サイモンの2大エースがいつも通りに得点を重ね、琉球の4点リードで試合を折り返す。

後半に入っても琉球が僅差でリードする展開は続いていく。第4クォーターの残り2分半、マブンガの得点で京都が逆転するも、琉球はすぐにケビン・ジョーンズのフリースローで再逆転。そして残り30秒、2点リードの場面で並里が体勢を崩しながらジャンプシュートを沈めて熱戦に終止符を打った。

橋本竜馬

「むしろ今日、一番称えられるのは橋本竜馬」

琉球の佐々宜央ヘッドコーチは「京都さんは個人技が強い選手がいて、良いディフェンスをしても何度も決められる。そこを試合を通してどう我慢するのかでした。最後は6点差でしたけど、負けゲームでもおかしくない。でも勝てたことに意味があります」と、接戦を勝ち切った意義を強調する。

琉球は水曜日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦で60−74と敗戦。この試合は「相手がファウルトラブルになったことでインサイドゲームにこだわってしまった」と指揮官が振り返るように攻撃のバランスを欠き、後半は3ポイントシュート成功なしに終わったのが課題だった。それがこの試合では岸本を筆頭に3ポイントシュート20本中9本成功と、バランスが改善した。

冒頭で触れたように並里、岸本はスタッツ面でも目立つ活躍をしたが、指揮官は「むしろ今日、一番称えられるのは橋本竜馬。ゲームコントロールをして、並里に落ち着かせられる時間帯を作ってくれた。リバウンドとかでも頑張ってくれました」とコメント。得点はなかったが5リバウンド3アシストを記録し、不用意なターンオーバーを喫した並里が精神的にリセットする時間を作り出す繋ぎ役を遂行した橋本の仕事を評価する。

デイヴィッド・サイモン

接戦を落とした京都、課題はリバウンド

19得点でヒーローとなった岸本は「平常心で臨めたのが良かった。3ポイントシュートは自分の武器なので、入らなくても打ち続けています」と、火を噴いた長距離砲についてコメント。そして、京都はチャンピオンシップで対戦する可能性が高い相手であるだけに、「地に足をつけて、やることをやってしっかり勝つ。明日も落とせない試合です」と気を引き締めていた。

他チームの結果により、この試合の前に3年連続のチャンピオンシップ出場が決まった琉球だが、今日の京都との第2戦で、たとえ負けても12点差以内であれば西地区の優勝が決定する。

一方、京都の浜口炎ヘッドコーチは「リバウンドは毎回の課題ですが、今日も取れませんでした。相手のオフェンスリバウンドが14本、ウチが6本で攻撃回数が8回違います」と敗因を語る。これで京都は、西地区の2位争いで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと29勝25敗で並んだ。直接対決の結果で順位は上に立っているが、チャンピオンシップ出場へ最大の踏ん張りところとなっている。