齋藤 拓実

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

「チーム優先でやる」姿勢でベンチから15得点

アルバルク東京はサンロッカーズ渋谷との水曜ナイトゲームを110-61で勝利した。このスコアは、A東京にとっての最多得点記録、最多得点差記録となった。過密日程の真っただ中、完勝ペースで主力選手のプレータイムを制限する状況で、ベンチメンバー4人が2桁得点を記録したことがこのハイスコアを実現させた。

中でも、3本すべての3ポイントシュートを成功させ、フィールドゴール7本中6本成功の15得点を挙げた齋藤拓実のパフォーマンスは特に目立っていた。齋藤は「今回の試合だけの準備ではなくて、違うディフェンスに対しての準備を今まで時間をかけてやってきたので、フリーではあったんですけど練習通り打てたから、確率良くできたのかなと思います」と、自身のプレーを振り返った。

齋藤は15得点に加え、ボールプッシュからノールックパスで速攻をお膳立てするなど、4アシストを記録してもいる。「個人的に点数をたくさん取りたいとか、アシストをいっぱいしたいというのはあるはあるんですけど、そこを優先してしまうとチームが崩れてしまいます。なので、チーム優先でやることで、こういう結果が出ました」

セルフィッシュに得点を取りに行ったのではなく、あくまでチームプレーの中で生まれた15得点と齋藤は主張した。「ウチのチームは全員がポイントを取れますし、全員がアシストをできます」と言う言葉が、A東京の強さを表している。

齋藤 拓実

初の千葉戦で「洗礼を受けた」

今回の試合では、齋藤は20分のプレータイムを得た。小島元基のケガの影響で、昨シーズンに比べプレータイムは1試合平均で約5分伸びているが、こうした積み重ねが齋藤を真のプロ選手へと引き上げている。「やっぱり試合に出れば出るほど、慣れる部分が多くなってきてるので、自分を出せるようになってきた」と、齋藤も言う。

だが、まだ指揮官の信頼を勝ち取れていないことも事実だ。それは、タイムシェアの割合からも見て取れる。「基本的にガード2人で半分半分だったり、スタートの(安藤)誓哉くんが25分くらいだったりすることが多いです。でも、千葉(ジェッツ)戦もそうだったと思うんですけど、10分くらいしか出してもらえなかったりするので、信頼が足りていないとすごい感じました」

齋藤がいう千葉戦は、3月13日に敗れた試合のこと。激しいディフェンスにアジャストできず、本来のプレーを出しきれなかった齋藤のプレータイムは11分に留まった。強度の高いディフェンスをしてくるとの予想はもちろんしていたが、「見るのとやるのとじゃ、やっぱり全然違うので。そういった意味では洗礼を受けた」と、試合を繋ぎ、安藤を休ませるミッションは遂行できなかった。

「元基さんが復帰したとしても、調子が良ければ齋藤を使おうとか、そこまでしっかりなりたい」と齋藤は言う。

今回の試合のように明確な結果を残したこともあれば、千葉戦のようにアピールできない試合もある。だが、こうした数々の経験が若い齋藤を成長させていくことは間違いない。「まだまだ、これからですね」と、ここまでの成績に納得はできていない齋藤だが、その気持ちがある限り今後の未来は明るいに違いない。