カー「彼はチームのあるべきモラルを示すコンパスだ」
今オフ、ウォリアーズはクレイ・トンプソンが移籍し、ステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーンとチームを4度のNBA制覇を導いた生え抜きのビッグスリーが解体した。カリー、グリーンは健在とはいえ、一つの大きな節目を迎えるウォリアーズにおいて、黄金時代を知る数少ない生き残りの1人が28歳のセンター、ケボン・ルーニーだ。
インサイドでのディフェンス、味方のシュートチャンスを作り出すプレーなど、献身的なプレーが魅力のルーニーだが、キャリアベストの出場時間は2022-23シーズンの23.9分で、大半は20分前後という扱い。トレードが活発に行われているNBAにおいて、ロールプレーヤーでありながら、2015年ドラフトでの入団からウォリアーズ一筋で今シーズンが10年目という在籍年数の長さは稀有だ。
今シーズンの彼の年俸は800万ドル(約11億5000万円)だが、6月24日までに300万ドル(約4億3000万円)を支払うことでチームから放出することができた。サラリーキャップ削減が必要なウォリアーズはルーニーと決別してもおかしくないと思われていたが、チームは契約解除を選択しなかった。
スタッツだけを見れば、800万ドルというルーニーのサラリーは高いかもしれない。しかし、彼には数字に出ない貢献があり、ロッカールームでポシティブな影響を与えると評価されている。スティーブ・カーヘッドコーチはルーニー残留について聞かれた時、「若手を引っ張り、ベテランを軌道に乗せるウォリアーズの方向性にとって大きい」と語り、ルーニーを「(チームのあるべき)モラルを示すコンパスだ」と称えている。
ルーニーは地元テレビ局『NBC Sports Bay Arena』の取材に対し、「彼はいつも僕の味方でいてくれる」とカーとの強い絆について語った。「彼は、『何が起こるかはわからない。でも僕は君のために戦う。僕はこのチームにいる間、君にはチームの一員でいてほしい』と言ってくれている」
また、ここ5ヵ月にかけて行っている食生活の見直しで「体がともて軽くなったと感じている」と今シーズンに向けた手応えについてもコメントした。「足取りは軽いし、より動けている。ポストで相手のビッグマンを守るので、強さを維持し、弱点を改善しないといけない。今は良いパランスだ。機動力と強さの最適なバランスを見つけることが常に重要となる」
若手の台頭もあり、昨シーズンのルーニーは74試合出場で平均16.1分出場、4.5得点、5.7リバウンドに留まった。ウォリアーズが再び上位戦線にからむために、まだまだ老け込む歳ではない年のルーニーの復活が待たれる。