ドリュー・ホリデー

「今日のマブスは僕らよりも激しく戦った」

NBAファイナルの第3戦まで、セルティックスは攻守ともに盤石のパフォーマンスを見せていた。NBAファイナルまでの道のりも12勝2敗で駆け抜け、直近で10連勝という圧巻の強さを見せていたが、NBAファイナル第4戦でセルティックスはついにつまづいた。追い詰められて奮起したマーベリックスのハッスルが素晴らしかったのは間違いないが、最大48点差、122-84という完敗は、第5戦以降にも響きかねない。

セルティックスを率いるジョー・マズーラは、まずは敗戦を素直に受け止めた。「マブスの戦いぶりは素晴らしかった。誰が出てもバランスの良いプレーをし、フィジカルでエネルギッシュな戦いをしていた。彼らが素晴らしかったことは認めるしかない。良いチームだからあんなバスケができる。そして、我々はそこから多くを学ぶことができる」

3勝0敗で優勝に王手をかけ、気持ちに緩みがあったのかもしれない──。そんな意見を指揮官はそれを否定し、「いくら入念に準備しても、それが成功を保証するわけではない」と語る。「ウチの選手たちのプロセスは素晴らしかった。シュートアラウンドでの動きも良かったし、昨日のフィルムセッションでも全員が集中していた。全員が正しい気持ちで試合に臨んでいたと思う。ただ、それでも上手くいかなかった、マブスがよりハードに戦ったというだけなんだ」

追い詰められたマブスが必死になり、今まで以上のプレー強度で戦ってくるのは予想できたが、セルティックスがここまで圧倒されるのは予想できなかった。ドリュー・ホリデーはこう語る。「どんな試合でも勝つのは大変なんだ。NBAファイナルの第4戦となれば、本当に難しい。彼らは死にもの狂いで向かってきて、僕らはその勢いにやられてしまい、立ち直ることができなかった」

ホリデーはセルティックスで優勝経験がある唯一の選手だが、その彼も優勝のために何が必要なのかは分かっていない。「優勝したことがあっても、分からないよ」と彼は言う。「でも一つはチームが一つになること。団結して、よりハードに戦わなければいけない。とにかく次はホームゲームだから仕切り直して、ゲームプランに忠実に戦うつもりだ」

大ベテランのアル・ホーフォードも同じで「僕たちが油断していたとは思わないけど、今日のマブスは僕らよりも激しく戦った。受け入れがたいけど、相手の強さを認めなきゃいけない」と語った。

彼らから感じられるのは、この1敗を軽く流すのではなくしっかりと受け止め、マブスの実力を称えるとともに、士気を落とすことなくボストンに舞台を移しての第5戦に臨むということだ。NBA優勝は簡単には手に入らない。だからこそ、この1敗で動揺することなく踏み留まって、自分たちのやるべきことに集中しようとしている。