危なげなく福岡に連勝の千葉ジェッツ、攻守の激しさを支えた大野ヘッドコーチの喝

危なげなく福岡に連勝の千葉ジェッツ、攻守の激しさを支えた大野ヘッドコーチの喝

2019/03/04

千葉ジェッツ

文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

福岡の切り札、ブレイクリーを封じる完勝劇

B1勝率トップを走る千葉ジェッツが、ホームの船橋アリーナにライジングゼファー福岡を迎えた3月3日の第2戦。福岡は前日の第1戦で63-102と大敗したことを受け、格上の千葉に一矢報いるために変化を加えてきた。中断期間に獲得したマーカス・ブレイクリーをデビューさせ、3番ポジションで起用。千葉のマイケル・パーカーは運動量のある加納誠也がマークし、ブレイクリーのところで攻める作戦を採った。

経験豊富なボブ・ナッシュヘッドコーチの策がまずは当たる。日本代表から戻り、千葉ではよりノビノビとオフェンス能力を発揮できる富樫勇樹がスピードを生かした単独突破から次々とシュートを決め、パーカーも8得点を記録。それでも、ボールを集められたブレイクリーが期待に応える9得点でオフェンスを引っ張り、第1クォーターは互角の展開に。24-20と千葉がリードしてはいたが、点の取り合いは千葉の望む展開ではなかった。

それでも千葉は第2クォーターにセカンドユニットがディフェンスを引き締める。西村文男がリズムをコントロールし、マッチアップする誰もがタフなディフェンスでブレイクリーのアタックを許さない。こうしてオフィシャルタイムアウトまでに2-12のランで流れを引き戻した。

第2クォーターは20-4と千葉が圧倒。第3クォーターもブレイクリーを今度は原修太が激しいディフェンスで追い込む。激しい守備を武器にチーム内での評価を高めている原は無得点に終わったが、相手のキーマンを抑えることで貢献。「外国籍選手とのマッチアップは今のBリーグでは珍しくないし、普段から練習でトレイ(ジョーンズ)とやっています。トレイほどのスピードはないし、何度か高さで上をやられるシーンはありましたが、慌てることはありませんでした」と、頼もしい言葉とともに振り返っている。

そのブレイクリーが後半開始からの1分半で個人3つ目、4つ目のファウルを立て続けに取られてファウルトラブルに。この時点で福岡のビハインドは20点を超えており、得点は取れてもハードに守れないブレイクリーを使い続けるしかなく、打つ手がない状況に陥った。そこから福岡も粘りも見せるも、第4クォーターの序盤にブレイクリーがファウルアウト。千葉とのレベル差を見せ付けられる形で、64-87で敗れた。

千葉ジェッツ

「ここをどこだと認識しているのか、ホームだぞ」

結果からすれば千葉の完勝だが、大野篤史ヘッドコーチは「第3クォーター以外は良かった」と試合を振り返るとともに、その第3クォーターの戦いぶりをフォーカスした。「成績は良いんですけど、勘違いしないように。今までやってきたことがベースであり、そこを疎かにすると足元をすくわれることになります」

前半を終えて20点のリード、相手は第2クォーターに得点わずか4と失速していた。さらには後半開始早々に勝負の切り札とも言うべきブレイクリーがファウルトラブルに。それでも、そこで緩いプレーをすることを「20点なんてあっという間ですよ」と指揮官は許さない。

試合後の会見では落ち着いて振り返っていたが、試合中はさぞ感情的になっていたのだろう。タイムアウトを取ったのは第3クォーター残り2分の場面。「こういうプレーをしなさいということよりもメンタルの部分なので、何も書かず『ふざけんな』という感じでした」

「シュートが入る、入らないは別にどうでもよくて。どういう気持ちを持ってコートに立っているのか、ここをどこだと認識しているのか。アウェーじゃないんだ、ホームだぞと。これだけ多くのお客さんがいる中で、自分たちの責任を果たしなさいと。タイムアウトを取らなかった僕も悪かったんですけど、自分たちで立て直してほしかった。ハドルを組んだり、ボールがデッドになった時にチームメートで声を掛けたりするのを待っていたんですけど、そういう傾向もみられずダラダラと時間がすぎて、我慢の限界になりました」

この一喝で千葉は再びプレーの強度を高め、危なげなく勝利を収めた。それでも大野ヘッドコーチは『結果オーライ』で済ませようとはしない。「言われてすぐに自分たちのメンタルを取り戻せると思うなよ、って話です。相手に行ったリズムを取り戻すのにどれだけのエネルギーを使わなきゃいけないのかをもう少し理解しないと、もっと強いチームになっていけない」

この指揮官が常に引き締めているからこそ、千葉は緩みなく強いチームでいられる。そう感じられた連勝だった。

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