島袋椛

チーム力の秘訣は「全員に『気付く力』がある」

大阪薫英女学院は今日、ウインターカップの初戦を迎えた。相手は昨日、1回戦で鵬学園との接戦を1点差で制して勢いのある安城学園。シード校でも、初戦で会場の雰囲気に慣れる前に相手の勢いにやられるのは嫌なもの。それでも大阪薫英女学院は開始4分で15-4とリードを築き、一度得た主導権を明け渡すことなく111-84の完勝を収めた。

出だしでチームに勢いを与えたのは島袋椛だ。得意のジャンプシュートでチームに最初の得点をもたらすと、3ポイントシュート2本にアシストと好プレーを連発。「出だしが大切だと思って試合に入りました。出だしが良いと少々やられても取り返せばいいという気持ちで良いテンポが作れるので良かったです」と島袋は言う。

「私たちは小さいなりに大きい相手に立ち向かっていくチャレンジャーのバスケをやっています。相手は2試合目、こちらは初戦ですし、安城学園が『打倒薫英』を掲げてやってきたという記事も見ていたので、相手の勢いに受け身になるんじゃなく自分たちから攻めていこうという気持ちでした」

序盤で勢いに乗った大阪薫英女学院は、第3クォーターを41-13とビッグクォーターとして勝利を決定付けた。エース不在、能力の高い選手がいないと安藤香織ヘッドコーチは今年のチームを評するが、だからこそ選手たちが結束を強め、たくさんのコミュニケーションを取ってチーム力を高めてきた。攻守のバランスの良さ、スペーシングと連携、相手の出方に応じて各選手が良い判断をしてチームとしてアジャストできる強みがあり、それをウインターカップの初戦で存分に発揮した。

そんなチーム力の秘訣について「優しさというか、全員に『気付く力』があるんだと思っています」と島袋は言う。「小さなことも気付いてチームで解決する。ウチは双子(木本桜子、桃子の姉妹)がしっかりしているので、2人についていくんですけど、ダメなことはダメだと言って、チーム全員で正しい方向に向かっていけます」

島袋は下級生の時から試合に出続けているが「逆にこの学年では私が一番ダメでした」と話す。「双子みたいに負けず嫌いな性格じゃなく、気持ちの強さを出せませんでした。『チームの代表だからちゃんとやらな』って同級生にずっと言われてきて、3年生になってようやく責任感が増してきたように思います」

その成長をウインターカップの初戦で見事に発揮。高校バスケの総決算となるウインターカップのコートで、すべてを出し切るのが彼女たちの目標だ。島袋は言う。「ここまで応援してくださっている方に感謝の気持ちを持って、薫英のバスケで勝ちたいです。もう一つは、このメンバーでバスケができるのも最後なので、一戦一戦を楽しみたいです。全国制覇に向かって、最後まで全員で戦います」