文=丸山素行 写真=小永吉陽子

「ソリッド」「アグレッシブ」「インテンシティ」を注入

1月24日、男子日本代表の第2回重点強化合宿がナショナルトレーニングセンターで行われた。レギュラーシーズン真っ只中で肉体的にもハードな日程で開催されている合宿だが、それもこの先に待ち受けるワールドカップ予選や、東京五輪に向けた予行演習の一環でもある。

テクニカルアドバイザーとしてチームの指揮を執るルカ・パヴィチェヴィッチは、今回の合宿の人選について「現時点でのベストな30人」と説明した。「前回の合宿でテストして、評価して、リーグの試合も見て、彼らを追いかけながらベストな30人に絞りました」

今回の合宿では前回と同様に良い部分と悪い部分の映像を見て、選手とともに目指すバスケットの共通理解を深めた。その後ピック&ロールの攻め方と守り方にほとんどの時間を費やした。

練習後には質疑応答の時間が設けられた。どんなスタイルのバスケットを目指すかという質問に対しルカコーチは「3つの単語」を挙げた。

「ソリッド(堅固であること)、アグレッシブ(積極性)、インテンシティ(激しさ)。その3つを今の日本に注ぎ込んでいきたい」

その中でボールをシェアし、スペースを生かしたバスケットが目標になる。「日本には良いシューターがいるので、スペースを取ってボールを分け合い、スペースを生かしながらドライブして、そこからポジティブなシュートが生まれることを目標としている」

日本は東京オリンピックで自国開催枠を約束されていない。だからオリンピックに出場するためには2019年のワールドカップで結果を出すことが求められる。オリンピック出場という目標に対し『奇策』が必要なのかという質問に対して「戦略を付け加えることはあるかもしれない」と答えるも、一番大事なことは「基礎的なことが最大限に揃うこと」と基礎が大事と説いた。

「まず最初にやるべきことはベーシックなところが最大限に揃うことだ。激しさなど基礎技術を最大限に身につけた時に、アップグレードして戦略を付け加えることはあるかもしれない」

だが目先の勝利を優先しその順序を逆にしてしまうことには「長いスパンで見ると日本のバスケットはダメージを負う」と警鐘を鳴らした。

日本人の体質や性質を理解し、その上で細部にまでこだわった指導をするルカコーチ。2月10日と11日に行われるイランとの国際強化試合に向け、チームの強化は続く。